diario
古い水はやわらかい 5月25日
古典技法、水押しで金箔を貼るとき
箔下地のボーロに水を塗り、箔を置きます。
水はただの水、普通の水道水を使うのですが
わたしのイタリアでの師匠、マッシモ氏いわく
「新しい水より、何度も使った古い水の方が良い」とか。
何故でしょうね。
最初は不思議でしたが、だんだんと分かるようになりました。
新しい水は固いというか、弾くというか。
上の写真の水は「古い水」、何度も筆を出し入れしたので
うっすらと赤ボーロの色が溶けています。
恐らくですが、使ううちにボーロや膠が少しだけ溶け込んで
ボーロ地になじみやすくなる、ということなのでしょう。
広口のビンを使って、水が減ったら継ぎ足しています。
まるで焼き鳥やうなぎの「秘伝のタレ」のようです。
軟水と硬水の違いがあるのか、は分かりません。