diario
古い修復跡は 3月20日
修復のご依頼を頂く額縁は 凝ったデザインだったり、
歴史ある物だったり、と言うような額縁が多いのですが、
大抵の額縁にはKANESEIに修復で来る前にも
何度か修復された跡があります。
それだけ今まで大切にされた証です。
下の写真、何だか不自然な部分があります。 お分かりですか。
他の部分に残っているオリジナル(本来の姿)には
植物モチーフの凸状装飾があるのでした。
石膏型取りの装飾なので、ぶつけた拍子などに 欠けやすいのです。
額縁の破損ではとても多い症状です。
誰の手による修復(と言うのか)なのか、もはや分かりません。
予算か時間か技術か・・・が足りなかったのか。
こうした古い修理跡は、ご依頼主の方とご相談して検討しますが、
よほどの場合でない限り現状維持、
あるいは補彩する程度をお勧めしています。
可逆性の無い修理の場合、取り除くことで
額縁に負荷をかけてしまう場合が多いのです。
今回の額縁も、全体を眺めてみると
「あれ、言われてみれば…」と言う感じで 馴染んでいますので、
このまま残します。
これもまた、この額縁の歴史です。