diario
19世紀イギリスの雰囲気で その2 3月30日
先日、atelier LAPIS で製作中とお話しました
19世紀イギリス風額縁の彫刻が終わりました。
小さなモチーフばかりなので 繰り返し作業の多い彫刻でしたが、
生徒さんの製作を手伝ったりアドバイスしたり
細々とした時間の合間に彫るには かえって良かったようです。
次は金箔です。
この時代のスタイル通り、石膏は塗らずに
金箔をミッショーネ(糊で貼る技法)で貼る予定。
全面ミッショーネは初めてですので、楽しみです。
ヒヤ子の2017年春 本当の姿 3月27日
今年で3度目の春を我が家で迎えたヒヤシンス
デルフトブルーのヒヤ子です。
この春は素晴らしい姿を見せてくれました。
写真が多くて恐縮ですが、観察日記にお付き合いください。
1月15日、ひょっこり出てきたところ。
2月10日、1ヵ月近く経ってようやく葉が開き蕾を見せています。
2月28日、何だかヒヤ子らしくない たくましく蕾が
ゴツゴツと育ちます。不思議な形の蕾です。
3月10日、デルフトブルーがはっきりしてきました。
3月12日、二日間で茎が伸びてヒヤシンスらしい姿に。
3月16日、日の当たる方から咲き始めました。
3月17日、今年の「水も滴るいいオンナ」ヒヤ子。
3月19日、すべての花が開花しました。
ヒヤ子らしく、頭が重くて傾き始めています。
3月25日、満開。
傾き続けるのでワイヤーで補助しました。
ピサの斜塔もワイヤーで引っ張っていますからね。
葉が蛸的になっいます。にょろっと歩き出しそう。
裏から見ると2本の茎がくっついている様子。
花の途中から2つに分かれています。
本当は2輪の花になるつもりだったのかもしれません。
そして第2花も順調に育っています。
昨年12月に肥料をたっぷりやったからか
(少々栄養過多??)
とても立派に育ってくれた2017年春のヒヤ子です。
1年目の水栽培、2年目の地植えの栄養失調では
可哀想なことをしてしまいました。
3年目の今年、厚く艶の良い葉、太くしっかりとした茎、
そして青が鮮やかで薫り高い花。
これぞヒヤ子(この球根)の本来の姿なのでしょう。
今年も美しく咲いてくれてありがとう。
East India Company 東インド会社からはるばると 3月23日
イギリスのお土産でいただいた紅茶は
東インド会社のものでした。
ティーバッグとは思えないような 本格的な香りと味、美味しいです。
さすが紅茶の本場のイギリス。
ごちそうさまでした。
東インド会社って 世界最初の株式会社でしたっけ・・・
歴史の授業で習いましたが 今も続いているのですね。
びっくりしました。
古い修復跡は 3月20日
修復のご依頼を頂く額縁は 凝ったデザインだったり、
歴史ある物だったり、と言うような額縁が多いのですが、
大抵の額縁にはKANESEIに修復で来る前にも
何度か修復された跡があります。
それだけ今まで大切にされた証です。
下の写真、何だか不自然な部分があります。 お分かりですか。
他の部分に残っているオリジナル(本来の姿)には
植物モチーフの凸状装飾があるのでした。
石膏型取りの装飾なので、ぶつけた拍子などに 欠けやすいのです。
額縁の破損ではとても多い症状です。
誰の手による修復(と言うのか)なのか、もはや分かりません。
予算か時間か技術か・・・が足りなかったのか。
こうした古い修理跡は、ご依頼主の方とご相談して検討しますが、
よほどの場合でない限り現状維持、
あるいは補彩する程度をお勧めしています。
可逆性の無い修理の場合、取り除くことで
額縁に負荷をかけてしまう場合が多いのです。
今回の額縁も、全体を眺めてみると
「あれ、言われてみれば…」と言う感じで 馴染んでいますので、
このまま残します。
これもまた、この額縁の歴史です。
やる気が瞬間消滅・・・因果応報 3月16日
先日自宅で、ご注文いただいた額縁の彫刻をして
ついうっかりと左手人差し指に
彫刻刀を刺してしまいました。
幸いに大した怪我でもなかったのですが
痛いよりも、なんだかガッカリ感が強いのです。
何がガッカリって、自分の不注意と
道具の手入れを怠ったこと、でしょうか。
「やる気スイッチがブレーカーから落ちる」ような気分です。
刃物を使っていて怪我をする場面はたいてい
作業に慣れて、完成が目前で気を抜いた瞬間
または研ぎを怠って切れない刃物を使っているとき。
本来なら彫る作業をする前後に、毎日研ぐのがベストですが
ついつい後回しにしてしまうのでした。
なにごとも因果応報でございます。
日本では砥石を水に濡らして使いますが
イタリアの学校では砥石に油(ミシン油のような)を
垂らして研いでいました。
砥石が日本の水研ぎ用と違う種類なのですね。
ちなみに刃物研ぎは男子生徒のほうが熱心でした。
彫るより研ぐほうが好きなのでは・・・というようだった
スイス出身のR君を少し見習わねば、と思い出しています。
破片は大切 3月13日
額縁の装飾部分が壊れてしまったとき
どうぞ破片を集めて保存してください。
爪の先のように小さなカケラでも
破片があればパズルのように復元修復できます。
複数個所なら、それぞれ小袋に分けてあると迷いません。
破片が無くなってしまったら、型取りをして再現をして・・・
と 作業量と時間がとても増えます。
破片は大切です!
19世紀イギリスの雰囲気で 3月09日
atelier LAPIS のレッスンがある毎週月曜日には
わたしもアトリエで何かしらの 制作をしています。
ここ最近はもっぱら彫刻です。
アトリエには沢山の本がありますが
最近この19世紀イギリスの額縁を扱った 本をよく見ていましたので、
ここはひとつ19世紀イギリス風の額縁を作ることにしました。
月桂樹のような葉のリースを内側にぐるり、
外のラインには渦巻きリボンのデザイン。(まだ下描き)
平らな部分には箔を直接ミッショーネで貼る予定です。
KANESEIの新しいシリーズとしてのサンプルに、
またLAPIS生徒さん方の制作参考のお役に立てば、と思っております。
彫り始めたばかりですが楽しいです。
完成しましたらこちらでご覧いただきたいと思います。
お姫様とねこ 3月06日
先日ご覧いただいたねこのテンペラ画と
ラテン語を入れた額縁の額装が終わりました。
ねこテンペラは白と金のアンティーク風額縁
ラテン語の額縁には 中世のお姫様の模写テンペラ画を。
ちなみにこのラテン語は “ver erat aeternum”
オウィディウスの詩から借用しました。
「永遠に続く春」という意味だそうです。
お姫様とは関係がありませんけれど、装飾として。
この2点の黄金背景テンペラ画を3月16日から22日までの
「小さい絵と猫の絵画展」に出品いたします。
東急百貨店吉祥寺店8階の美術工芸品売場です。
お近くにおいでの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。
ver erat aeternum 3月02日
最近にわかにまた文字装飾熱が復活したわたしです。
新しく小さな額縁にも ラテン語を入れました。
絵の具を盛るようにのせて ふっくらとさせました。
これから茶色に着色して アンティークな雰囲気に仕上げる予定。
黄金背景テンペラ画が納まったら
またこちらでご覧いただきたいと思います。