diario
石を持て 2月06日
フィレンツェ留学中の修業先、額縁工房のマッシモ氏に
一番最初のころに注意されたのが
「メノウ棒は柄を持つのではないよ、石を持ちなさい」でした。
もちろんメノウ棒の種類にもよりますけれど、
正確には石と真鍮の軸のつなぎ目辺りを持つ、という感じです。
それまでわたしは自己流で、鉛筆を持つようにして
メノウ棒の木製の柄を持ち、手首を振ってメノウ棒を動かしていました。
残念ながらマッシモ氏から理由は教わっていませんが
それ以来わたしが石部分を持って作業した感想としては
・石膏地や箔の感触がより繊細に感じられる
・余計な力が入らないので石が滑って箔に傷がつくことが少ない
・メノウ石と真鍮の軸が緩んだり外れたりすることが少ない
・腕全体を動かすので疲れが少ない
などでしょうか。
慣れるまですこし磨き辛く感じるかもしれませんが、
メノウ磨きは「石を持て」、お勧めです。