diario
地味な戦いとその後の楽しみ 12月08日
額縁の修復・修理は、おおまかに
支持体である木地の調整・補強
表面装飾の整形・補彩
そして絵が入る部分も含めて額縁裏面の調整もあります。
装飾部分の箔置きや補彩が華やかな作業ならば
木地調整や裏面調整は地味な、まさに裏方作業ですし
埃とも戦わねばなりません。
19世紀の額縁裏面には、やはりびっちりと紙が貼られていました。
これを剥がします。
古い紙は酸化し粉になりかけている部分もあって
良いことは一つも無し。
表面に比べ裏面は躊躇なく不要物を取り除く必要があります。
(ラベルやシール、書き込みがある部分は状態に応じて
剥がして保存、部分的に残す等します。)
手で剥がせない部分はOLFAのデザインカッターが活躍。
絶妙にしなる刃で古い紙をそぎ取ることができます。
やはり日本の刃物は優秀でございます。
この程度とり除いたら、あとはペーパーで仕上げましょう。
額縁は裏面から、じつに様々なことが見えてきます。
木地の種類、構造、材料、制作年代や場所の予想ができること、
そして、その額縁を作った職人さんの息遣いも・・・。
これぞ修復の楽しみです。