diario
さよなら天使 11月21日
夏から修復に取り掛かっていた祭壇型額縁です。
翼の折れた天使の入院生活もようやく終わりました。
完成までの様子は左下のカテゴリー「修復」からご覧ください。
下の写真の右が修復前、左が修復後です。
写真の知識・技術不足による色の違いはご容赦ください・・・。
天使部分もさることながら、柱上部のまるまる無くなっている装飾、
屋根部分の端先がすっかり欠け落ちていますし、
小さな四角い装飾もいくつか無くなっていたり。
また写真には写っていない側面や下部にも欠損が沢山ありました。
なんとか復元できたように思います。
額縁の装飾修復は、部分ごとに注視すると
オリジナルと復元部分の違いばかりが目についてしまいがちですが
すこし離れてゆっくりと全体を見て、
違和感が無いようにすることが最終目的です。
出来たばかりのようにぴかぴかにもしません。
古い額縁を新しいように装っても、土台が古いのですから
まるでお年寄りが若作りをしたような違和感が生まれます。
(この喩えは私個人の印象です、お許しください)
でも装飾の下の木地部分、場合によっては絵の入る内側も
しっかりと整えて、様々な新材料を使って改造もして
額縁本来の目的のひとつ「作品を守る」ことができるように。
修復を終えた額縁は、大切にされ、おだやかに時代を経た
趣が再現できているように・・・と思いつつ作業しています。
天使ちゃん、お疲れ様でした。
どうぞ末永くお元気でお過ごしください!