diario
Trial and Error 9月22日
ねこの黄金背景テンペラ画の準備をしています。
にゃー。
今日は赤色ボーロを塗って純金箔を水押しします。
黄色いテープでマスキングしているので、下絵が隠れて
ねこなのか何なのか分からない状態になっています。
古典技法の教室 atelier LAPIS の生徒さんからの質問で多いのは
「ボローニャ石膏は何回(何層)塗るのですか」
「100㏄のニカワ液には何グラムの石膏を入れるのですか」
「ボーロはどれくらい塗れば良いですか」というものです。
この質問の答えは・・・いつも迷います。
というのも、作る額縁(あるいは絵)のデザイン、
仕上がりのイメージ、そして作り手の癖などを考慮する必要があるから。
本などによると、ボローニャ石膏は5~6層、
ボーロは3~4回塗り重ねる、と紹介している場合が多いでしょうか。
その一方、ボーロは1回で十分だ!と仰る先生もいらっしゃいます。
石膏もボーロも薄くするほどシャープな仕上がりになりますが
その代り技術が必要です。
LAPISのレッスンでは、それぞれの生徒さんの状況を見ながら
ちょうど良さそうなところまで(何とも中途半端な表現ですが)
塗ったり溶いたり、という作業をしていただいています。
古典技法には基本となる方法はありますけれど、
実は石膏やボーロの溶き方などには、お菓子のレシピのような
キッチリ決まった分量はありません。
ニカワ液に石膏を溶くにしても、何㏄に何gと答えられない。
ほとんどが「こんな感じ」としか説明できないことが多い・・・。
制作者それぞれの好み、技術に左右されるのです。
わたしの答えとしては
「LAPISでの方法(つまりわたしのお勧めの方法)でまず作って、
機会があれば他の先生の方法や本の方法も試してみて、
自分のレシピと方法を見つけてください」
なのです。
わたしも様々な先生の方法を教えていただき
本の方法を試してみて、失敗も繰り返して、
沢山の情報の中から「良いとこ取り」をして
わたしの好きな方法とバリエーションを組み立てています。
今の方法よりもっと良い方法が見つかるかもしれません。
これからもわたしの試行錯誤はつづきます。