diario
鯛牙棒 8月11日
わたしは誰でしょう・・・
カタカタ
答えは鯛。
あごの骨、半分です。
スーパーで一番大きな鯛の御頭をかってきて兜煮にした残り。
身は美味しくいただいて、あご骨も大事にキープします。
なぜこんなものを準備したかというと
「鯛牙棒」という道具を作るためです。
金継ぎ(金繕い)などで使われる蒔絵の金属粉を磨く道具で
額縁古典技法のメノウ棒とおなじような用途です。
一番大きな牙を抜いて、粘土細工のヘラ先に穴をあけて差し込みました。
簡単そうに書いていますが、なかなか大変な作業だったそうです。
・・・はい、わたしが作ったのではなく、作ってもらったのです。
牙の反対側のヘラ部分は、ちょっとした「付け箆」にも使えそう。
先日、ちょうど線刻模様額縁の金箔を磨く機会があったので
ものは試し、鯛牙に登場してもらったのですが
細いみぞもバッチリと磨けたのでした。
ヨーロッパでも昔、メノウ棒だけではなくオオカミの牙などでも
磨いていたそうです。
日本では馴染みのある魚、鯛の牙をつかって
ヨーロッパ古典技法の額縁を磨く。
和洋折衷でございます。
下の写真は、金継ぎの先生が見せて下さった鯛牙です。
右から2本目以外は先生の手作りだそうです。
6角形の軸に根本は漆仕上げ。
プロならではのシンプルでかっこいい道具でした。