diario
ソナチネの木 8月01日
詩はお好きですか。
普段は書店で絵本を手に取ることが減りましたが、
先日一目で何もかもに惚れてしまって
一目散にレジへ向かった本があります。
岸田衿子の「ソナチネの木」
挿絵は安野光雅ですから、詩集であり絵本でもあり。
すべての詩が4行で構成されていて和歌のよう。
鳥 城跡 仔馬 雪の林の奥 昼と夜 音楽 幻の野辺・・・
日常で使う言葉でつづられているけれど、単語一つ一つにはっとさせられて
日本語の美しさと抒情を感じられる。
そしてヨーロッパの古い写本のような挿絵との組み合わせ。
あっという間にふたりの夢の世界へ連れて行かれてしまいます。
アニメ「赤毛のアン」の主題歌の歌詞を書いた岸田衿子と
「旅の絵本」「天動説の絵本」「ふしぎなえ」の安野光雅
このふたりの作品は、物心つく前から少女のころにかけての
わたしの心を形作る欠かせないものになっています。
大人になって、この「ソナチネの木」がまた新たに加わりました。
「ソナチネの木」
岸田衿子 / 安野光雅
青土社
2006年8月10日 第1刷発行