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彫刻の本「CARVING ARCHITECTURAL DETAIL IN WOOD」 6月23日

 

市が尾にあるAtelier LAPIS の本棚には、主宰の筒井先生が

揃えてくださった様々な本があり、生徒さんはもちろん

わたしも随分と参考にしたり活用させていただいています。

その中にある「CARVING ARCHITECTURAL DETAIL IN WOOD」は

月曜コースの生徒さんに人気があり、わたしも1冊手元に置くことにしました。

carving (1)

Atelier LAPIS にある本と表紙が違い、見慣れぬ本。

2011年に改訂版が出たようです。

初版が2000年、それから4版目ですから人気がある本です。

 

それもそのはず、内容は古代建築の様式、名称などから

建築と家具、装飾のつながりと歴史を説明し、

後半には具体的に木を彫刻する方法が解説されています。

下描き図面の作り方、道具、彫る順序、細かい方法など。

carving (3)

LAPIS では写真ばかり(写真が豊富!)見ていましたが、

あらためてじっくり読んでみると、彫刻実習の

授業を受けているようで楽しくワクワクします。

ふだん自分で彫刻をする時になにげなくしていた作業も

こうして順序立てた写真と文章になると再確認にもなりました。

「おや、この道具は便利そう!」というような

ちょっとした文具や留め具が紹介されていたり。

carving (4)

イギリスの本ですからもちろん英語ですけれど

ゆっくりでも読む価値あり!なのです。

 

それにしてもいまさらながらですが

つくづく額縁はヨーロッパ、つまりはギリシャ・ローマの

文化なのだと痛感します。

この内容の日本語の本があったらどんなに嬉しいか!

4版も重ねるほどの需要は日本にはないのかもしれませんが・・・。

額縁や建築、それに繋がる家具、絵画、美術様式、

ヨーロッパと日本の遠さを感じます。

わたしが日本で古典技法の額縁を作ったり

アカンサスの彫刻をするのは、さながら

イギリス人の方がイギリスで漆芸をするようなものでしょうか。

ううむ、本場から遠くとも、額縁作りますよ!

 

「CARVING ARCHITECTURAL DETAIL IN WOOD」

Frederick Wilbur

GMC Publication Ltd

2000年 第1刷発行