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帆立貝のタベルナーコロ その8 5月16日

 

迷った磨り出しに見切りをつけて

グラッフィートを保護するためにニスを塗りました。

そして最後の工程、ワックスのアンティーク仕上げです。

フィレンツェの額縁師匠、マッシモ氏から教わったレシピの

茶色のワックスを塗り、ニセモノホコリ(灰色の粉)をはたきます。

tabernacolo8a

凹の奥までワックスを入れて粉をはたかねばなりません。

(凹部分にもきちんと金が入っていることが前提)

汚れは凹に溜まりますから、その再現です。

塗ってはたいて磨いて、繰り返すこと何回か。

徐々に好みの「汚れ」が出来てきます。

 

そして完成です。

1500年代イタリアで作られた額縁・・・に近づけたでしょうか。

tabernacolo8 (5)

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ロンドンにあるオリジナルの額縁のような

虫食い穴も留め切れも作りませんでしたし

オリジナルの金はもっと擦れ輝きは低くなっています。

そして汚れはここまでコッテリしていません。

わたしのタベルナーコロは・・・これで良いでしょう。

右側面には差し込み蓋の入れ口。

tabernacolo8 (2)

左側面。

tabernacolo8 (3)

裏面にはステインで着色してワックスを塗りました。

そして吊金具は昨年つくってもらったものを。

銅の吊金具を真鍮のネジで留めました。

tabernacolo8 (1)

下の写真、オリジナルの吊金具は差し込み式でした。

tabelnacolo8a (2)

はっ 彫刻部分の裏面、丁寧に面取りされている・・・

いま気づきました。後の祭り(3回目)

 

なるほどなるほど。反省多々、収穫もまた多々。

とても良い練習と勉強になった制作でした。

百聞は一見にしかず、一経験にしかず?でございます。

お恥ずかしい部分もそのままご覧頂きましたが

これにて「帆立貝のタベルナーコロ」制作報告終了です。

ながらくお付き合い下さりありがとうございました。

tabernacolo8 (8)

いつかロンドンのV&A美術館で

オリジナル額縁の実物を観たいものです。

いや、観るのが怖いかな・・・

 

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