diario
Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2016年4月 №2 4月21日
Atelier LAPIS には様々な生徒さんが来てくださいますが
NAさんはいつかプロの額縁制作者になりたいと思っておられるおひとり。
とても熱心に丁寧に、精魂傾けて制作なさっています。
今回完成した作品も、そんなNAさんらしい完成度です。
昨年完成したフラ・フィリッポ・リッピの聖母子模写を納める額縁です。
まず木地にボローニャ石膏を塗り磨き、赤ボーロを塗って
全面に純金箔を水押ししてメノウ棒で磨きます。
ゼッキから取り寄せたご自分の箔道具の初使い。
箔床、箔ナイフ、箔刷毛など、まず手入れをしてから作業します。
ピカピカに磨き上げた金の上に、黒のテンペラ絵の具を塗って
金をすべて覆い隠してしまいます。きゃーもったいない。
おっしゃるなかれ。グラッフィートの準備です。
さぁグラッフィート(削り)開始です。
模様を転写して、竹串で黒の絵具を削ります。
この作業の楽しいことと言ったら!
繊細な線が表現できるのもグラッフィートの特徴です。
削り終わったらすかさずニスで保護しましょう。
今回は艶ありニスでクラシックな雰囲気を強調しています。
額縁が出来上がり、いよいよ額装です。
内側に紺色のベルベット調の布を貼り、箱額に仕立てました。
今回は模写の金とのバランスを考えて
額縁をアンティーク仕上げにはしませんでした。
とても格調高い作品が完成しました!
NAさん、誠実な作業の積み重ね、お疲れ様でした。
すばらしい作品を完成させて下さってありがとうございました。