diario
額縁見比べ ヨーロッパと日本 2月15日
まだ雪が残る箱根の山の上
ポーラ美術館に行きました。
「自然と都市 印象派からエコール・ド・パリまで」という展覧会を開催中。
風景画を中心にモネ、シスレー、ルノワールにシャガール
フジタやゴッホ、ゴーギャンと有名どころがずらり勢ぞろいです。
東京で開催の展覧会なら混雑したでしょうけれど、
平日の箱根ではゆったりと静かに鑑賞できました。
作品はもちろんながら、額縁鑑賞も楽しい展覧会です。
フランスのルイ13~15様式でしょう、金の華やかな額縁が主ですが
同じ金でもボーロの色、仕上げの違い、経年での色の変化も興味深いところ。
おそらくここ数十年内に作られた額縁もあって、それらの
古色付けの方法を探って考え込むのも楽しい時間でした。
「ポーラ美術館の絵画―日本の洋画、日本画」が別室で開催中で、
そちらでは日本製の額縁を、これまたお腹いっぱい(?)観ることができました。
ついさっき観た本場ヨーロッパのルイ様式の額縁のようなデザイン・・・
だけど日本で作られた額縁は細部のデザインや木地の形、色味がやはり違うのですね。
日本の額縁製造の歴史は、当然ながらヨーロッパよりずっと短く
当初は本場の額縁の模倣からはじまっているのですが、
徐々に「日本らしいオリジナル性」も備えた額縁が作られるようになり、
それが「日本の洋画」にしっくりと合っている、ということを
あらためて確認できました。
モネの「睡蓮」、シャガールの恋人たちの様子は何度観ても素敵ですし、
フジタの「姉妹」と岸田劉生の「麗子坐像」は、作品と額縁の
組み合わせを観るたびにため息が出てしまう。
岡田三郎助の「あやめの衣」の実物は初見で感動、
ルソーの「エデンの園のエヴァ」の前で原田マハ著の
ルソー像を思い出す・・・
それはそれは贅沢な、幸せな時間を過ごすことができました。
あまりに沢山見過ぎて頭が痛くなりましたけれど。
3月13日までの開催です。
チャンスがありましたら是非。おすすめです。