diario
昭和46年8月18日水曜日 8月17日
頂き物の骨董には古い新聞が詰められていました。
昭和46年8月18日土曜日の読売新聞です。
今から43年と364日前、夏の新聞。
7面には映画の紹介がありました。
「-イタリアのメロドラマ- ベニスの愛 近く公開」
古い映画です。初めて聞いたタイトルでしたが
ヴェネチアが舞台の映画ときたら!早速観てみました。
イタリアでもヒットして、いくつも受賞したとか。
今は別れて暮らす夫婦が数年ぶりに会って
お互いに探るような質問をして道端で激しい口論をしたかと思えば
しあわせだったころの思い出話をして笑いあったり。
展開はゆっくりですが、過去と現在の行き来、喜怒哀楽の激しさで
観ているわたしは感情がついていけない場面もちらほら。
ほとんどのシーンがふたりの会話で進んでいきます。
やがて夫が不治の病で余命も短いことを打ち明けて・・・。
これぞメロドラマ中のメロドラマ。
音楽も舞台も設定も なにもかもがロマンチックなのでした。
わたしが好きなマルチェッロのアダージョが使われていますが
以前お話した映画「ソフィアの夜明け」にも
バッハの編曲によるコンチェルト974をグールド演奏で使われました。
この「ベニスの愛」でも「ソフィアの夜明け」でも
とても大切なシーンで使われている曲です。
たしかにとても心揺さぶられる曲なので
この曲の持つ力も感じられるのでした。
この映画、邦題は「ベニスの愛」ですが
オリジナルは「anonimo Veneziano」
訳すと「名も無いヴェネチア人」とでも言いましょうか。
この違いも面白いですね。
昭和46年の夏 この映画を映画館で見た人たちは
どんな感想を持ったのでしょうか。
原題の意味も知る機会があったでしょうか。
なににせよ、この映画を観てヴェネチアへの旅に出た人も
きっといたはず!と思っています。