diario
格子窓の風景 あなたはだれ 5月18日
ルーヴル美術館展に出品されていた
クエンティン・マセイスの「両替商とその妻」。
北方ルネッサンスらしく寓意が様々籠められています。
天秤 聖書 そして手前に置かれた鏡には別世界がうつります。
十字架のような格子窓 青空の向こうには教会の尖塔。
そして赤い帽子をかぶって窓枠に手を置き
聖書を読みふける男の姿。
あなたはだれ?
目の前では両替商とその妻が 今まさに天秤で計っているのに
まるで違う世界のひとのようです。
よく見れば 天井板やカーテンも描かれ
空の雲の表現も何もかも 手を抜かれた部分がありません。
小さな鏡の中の世界を緻密に描く集中力と画力。
でもきっとクエンティン・マセイスは
とても楽しみながらこの小さな世界を描いたに違いない!
と想像しています。