diario
修道院のレシピ そしてGratin dauphinois 3月05日
頻繁に立ち寄る雑貨店にはちょっとした本のスペースもあって
そこにはいつも様々なジャンルのエッセイや新書がならび
大きな書店ではたどり着けないような面白い本が並んでいます。
先日も本棚を眺めていて「修道院」に惹かれて手に取ったのが
「修道院のレシピ」という本でした。
後で検索して分かったことですが 2002年の出版当時は話題になったようです。
修道院付属の女子高で使われたレシピ本が和訳されているそうで
かなり分厚い本ですが それがまた学校の教科書風で実用的。
開いてみても料理の完成写真はほとんどなく
ひたすらぎっしりとレシピが並んでいます。その数600近いとか。
ソース 保存食 前菜とスープ 主菜の魚・肉・野菜 副菜 デザート・・・
数えてみようと思いましたが 数えきれませんでした。
(デザートに写真が一枚も無いレシピ本は初めてです!)
なにせほとんど写真がありませんから 完成図は想像するしかありません。
でもそれがまた想像が膨らんで「読み物」としてじーっと読んでも楽しいのです。
たまに出てくる数少ない写真もまた期待を膨らませます。
上の写真の左は「野菜のジャルディニエール」と言うそうですが
フランス風ゆで野菜の和え物。
右は「お米のポーチドエッグ添え」でピラフにトマトソース。
なんとも簡単な いわば毎日食べるような家庭料理の紹介です。
そんなものわざわざレシピを見なくても・・・と仰るなかれ。
この本で料理した人たちの感想を検索すると「とにかく驚くくらい美味しい」とか。
「こってりソースの重いごちそうフレンチ」ではありません。
8版も重ねられているのがひそかな人気の証でしょう。
修道院というと質素で殺生は控えて・・・と思いきや
かなりボリューミーな肉料理も紹介されています。
左はココットで作るローストビーフ 右はブフ・ブルギニヨン。
どれもこれもレシピにはごく簡単な手順があるだけで
火加減やオーブンの温度も無いし調味料の量も「お好みで」とか
「卵1~2個」「小玉ねぎ15個くらい」と曖昧ですけれど
それもまたフランスらしいとでも言いましょうか。
帯には「これ1冊でお嫁に行ける。」とあるほどです。
そして作ってみました修道院のグラタン・ドフィノワ。
Gratin dauphinois 薄切りじゃがいものグラタンです。
じゃがいも 牛乳 卵 そして塩コショウとナツメグ少々。これだけ。
例によってレシピ文は数行 調味料の量もオーブン温度もありませんが
準備は簡単 調理はオーブン任せで忙しい夜にも便利なレシピです。
バターもチーズもクリームも使いませんから食後の片づけも胃袋も楽でした。
そして本当に美味しいのでした。
これは今後も頻繁に作ることになりそうです。
「修道院のレシピ フランス・ブルターニュ地方」
企画・構成・写真・イラスト・文 猪本典子
朝日出版社
2002年7月24日 初版第1刷発行