diario
Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年2月№1 2月19日
最近のAtelier LAPIS月曜コースでは2つの流行があります。
そのひとつがグラッフィート技法を使うこと。
グラッフィート技法とは 水押しした箔を磨いた上に
絵具を塗って覆い隠し その絵具を掻き落として下の箔を見せる方法。
全面に箔を使いますので贅沢ではありますが
とても細い繊細な模様を表現できる魅力もあります。
今この技法を用いる作品制作に取り組んでいる生徒さんは3人ですが
まずはTAさんの作業風景からご紹介します。
1月に木地にオーナメントを取り付け ボローニャ石膏を塗りました。
そして2月に入り 赤と黄のボーロを混ぜて茶色にしたものを塗り
全面に純金箔を水押ししました。
メノウ磨きによって金の塊りのように美しく仕上がっています。
そしてそして 卵黄テンペラで箔の表面をすべて覆います。
なんだか勿体ないように感じてしまいますが・・・。
さぁいよいよ グラッフィート(掻き落とし)開始です。
わたしは今までの経験で 掻き落としには竹串が最適と思っています。
箔を傷つけるほど硬すぎず 絵具に負けるほど弱くなく。
イタリアでは ネイルアートに使うようなオレンジスティックで掻いていました。
箔を覆うテンペラ絵具は 卵黄の量も重要です。
少ないと絵具層が弱く また金箔に弾かれてしまいます。
かと言って多すぎるとモッタリし 掻き落とし作業も難儀します。
顔料によっても卵黄の適量は少しずつ違いますから
これはカンと経験で・・・としか言えないのですけれど。
このグラッフィート技法では地味な色 つまりは
金とのコントラストが強い色を使った方が よりやりがいがある・・・
地味派手とでも申しましょうか
古典技法独特の表現ができる技法です。
TAさんの額縁が完成した暁には またご紹介いたします。