top » diario

diario

ヒヤ子の2月26日 2月26日

 

にょろ・・・

2015-02-26 10.10.08

横から失礼いたします。

23日月曜日の朝から開花しはじめたヒヤシンスのヒヤ子は

そろそろ満開が近づいています。

2015-02-26 10.03.53 HDR

ぐんぐんと伸びた茎は 花の重さに耐えられないのか

徐々に斜めになってしまいました。

支柱を作ってやるべきか悩みますが まぁこの姿も

この子の個性と思っておくことにしました。

重い頭を傾けながら ヒヤ子は健気にがんばっています。

 

デルフトブルー。

真っ青な海のような色の花が咲くかと思いきや

水色から紫へのグラデーションです。

部屋には花の香りが満ちています。

kako-8oX3ZUvurvF66PFs

以前の様子:「ヒヤ子の2月21日」2015年2月21日
 

 

 

atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年2月 №2 2月26日

 

先日ご紹介しました月曜コースの流行のひとつはグラッフィート

もうひとつは「小鳥」です。

わたしがアトリエでガサゴソと小鳥の絵をテンペラ画模写していたところ

生徒のMIさんが「かわいい!わたしも描いてみたい」と言って下さり

それでは・・・とわたしの本をお貸ししたりしていたのですが

筒井先生が絶版になっていた本を探して アトリエに入れてくださいました。

そんな訳で MIさんの描く小鳥たちの可愛さに惹かれて

他の生徒さん方も「いいなぁ小鳥」「うーん次は額縁を一休みして小鳥を描くかな?」

などのお声がチラホラ。

額縁を目的に入った生徒さんがテンペラに興味を持ち また

テンペラを目的に入った生徒さんが額縁に興味を持ち・・・

広がる様子は わたしも嬉しい限りです。

M-kotori

ちなみにこのMIさんのテンペラ画支持体は 蒲鉾板の再利用です。

わたしが学生の頃 かなり熱心にこの蒲鉾板再利用をしました。

もちろん綺麗に洗い きちんと乾かしてから使います。

(いままで使って板に沁みた塩分の被害が出たことはありません。)

わざわざ蒲鉾メーカーの焼き印が裏に見えるように使ったりして。

 

最近はスーパーマーケットで見かける蒲鉾がどんどん小さくなって

焼き印が押されていなかったりしますので ちょっと物足りません。

お正月のお節用に奮発して上等の蒲鉾を買って 板をとっておきます。

板目的に蒲鉾を買う・・・本末転倒になりつつありますが

なんちゃってエコ気分も味わっています。

2015-02-23 15.55.18

MIさんの手元には周囲の方のご協力もあって

蒲鉾板がたくさん集まったとか。

2点が完成しましたので さっそく次回のレッスンで

蒲鉾板をズラリと並べて下地作りをする予定です。

 

茂る・垂れる 2月23日

 

正方形のパステル画のためにご注文いただいた額縁は

蔦をモチーフにして石膏盛り上げ装飾を入れました。

「右上には垂れる蔦 左下には茂る蔦」とのご希望です。

 

ひとつのモチーフを繰り返し入れる時は作業も繰り返しますから

同じ形をきちんと同じ高さと大きさに揃えますが

非対称の場合は繰り返されるデザインはほんのわずか。

絵画のようで作る楽しみも難しさも増します。

これもフルオーダーの手作りならではのデザインです。

tuta2015

色は金とベージュピンク 蔦の植物模様を非対称に。

そして金の部分には水平に2本の線を線刻で入れて艶あり仕上げ。

マットの色 幅も細かくご相談しました。

今回はご注文下さった方のご希望が明確で さまざま取り入れています。

デザイン画を描きご確認いただいて いざ制作。

ご注文主の女性らしい優しい雰囲気の額縁が完成しました。

2015-02-18

* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

ヒヤ子の2月21日 2月21日

 

すっかり春めいて暖かな2月21日の午後

我が家のヒヤシンス デルフトブルーのヒヤ子は

いよいよ準備が整いつつあるようです。

2015-02-21 14.45.52

つぼみからもう青い色が見えるようになりました。

この陽気なら来週中にはめでたく開花を迎えるかもしれません。

2015-02-21 17.06.20

日当たり優先で居間の特等席に置いていましたが

今日からわたしの寝室へ引っ越しさせました。

ヒヤシンスの香りが楽しみです。

がんばれヒヤ子。

以前の様子:「ヒヤ子の2月4日」2015年2月5日

 

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2015年2月№1 2月19日

 

最近のAtelier LAPIS月曜コースでは2つの流行があります。

そのひとつがグラッフィート技法を使うこと。

グラッフィート技法とは 水押しした箔を磨いた上に

絵具を塗って覆い隠し その絵具を掻き落として下の箔を見せる方法。

全面に箔を使いますので贅沢ではありますが

とても細い繊細な模様を表現できる魅力もあります。

今この技法を用いる作品制作に取り組んでいる生徒さんは3人ですが

まずはTAさんの作業風景からご紹介します。

 

1月に木地にオーナメントを取り付け ボローニャ石膏を塗りました。

lapis2015.1b

そして2月に入り 赤と黄のボーロを混ぜて茶色にしたものを塗り

全面に純金箔を水押ししました。

メノウ磨きによって金の塊りのように美しく仕上がっています。

T-graffito1

そしてそして 卵黄テンペラで箔の表面をすべて覆います。

なんだか勿体ないように感じてしまいますが・・・。

T-graffito2

さぁいよいよ グラッフィート(掻き落とし)開始です。

わたしは今までの経験で 掻き落としには竹串が最適と思っています。

箔を傷つけるほど硬すぎず 絵具に負けるほど弱くなく。

イタリアでは ネイルアートに使うようなオレンジスティックで掻いていました。

T-graffito3

箔を覆うテンペラ絵具は 卵黄の量も重要です。

少ないと絵具層が弱く また金箔に弾かれてしまいます。

かと言って多すぎるとモッタリし 掻き落とし作業も難儀します。

顔料によっても卵黄の適量は少しずつ違いますから

これはカンと経験で・・・としか言えないのですけれど。

 

このグラッフィート技法では地味な色 つまりは

金とのコントラストが強い色を使った方が よりやりがいがある・・・

地味派手とでも申しましょうか

古典技法独特の表現ができる技法です。

TAさんの額縁が完成した暁には またご紹介いたします。

 

彫跡命 2月16日

 

熱海にある古い温泉ホテルで出会った額縁は

これぞ日本の雄々しい額縁の代表!というような迫力あふれる作品でした。

全体の巾は2メートルくらいあったでしょうか かなりの大きさです。

作られた時期は不明ですが 50年は経っている雰囲気でした。

atamitora1

斜め平面で内流れの形はまるで扁額のようです。

中に納められている木彫の虎と龍 2頭から放たれる目力は強烈でした。

額縁もそんな作品に負けず劣らずの迫力があり かつ作品とも調和しています。

atamitora2

角にある装飾モチーフは軍配でもない布袋さまの袋でもない・・・何でしょうか。

そこから植物(であろう)模様が続きますが いかにも日本風です。

唐草文様をモチーフにしているのでしょう。

西洋の蔦模様などと比べて あきらかに曲線に付ける強弱のアクセントが違いますから。

atamitora3

そしてこの額縁の一番の特徴は 何と言ってもこの彫跡の力強さででしょう。

まるで熊や虎の毛の流れのような荒々しく雄々しい彫跡がこの額縁の命。

うーむ 素晴らしい職人仕事です。

どんな人が作った額縁なのでしょうか。

おそらく名のある老舗工房の作に違いありません。

 

増改築を繰り返した古いホテルの 高い天井と赤い絨毯廊下には

人の気配も無くて 古い建物特有の匂いとひんやりした空気。

蛍光灯の青白い光が反射して薄ぼんやりと暗い曲がり角に

とつぜん現れた虎と龍 そしてこの額縁の存在感と言ったらもう

しばらくわたしの中では「熱海=虎と龍の額縁」という

イメージで固めてしまうに十分なものでした。

 

点検してください 2 2月12日

 

いま修復でお預かりしている額縁は 壁から落下して

装飾部分が欠け木地もひしゃげて ひし形に変形してしまっています。

幸いにもガラスは割れず 納められていた油絵は守られました。

y1

落下の衝撃から作品が無傷だったのは額縁のお蔭ですが

元はと言えば 額縁が落下しなければ起きなかった事故。

かなりの大けがを負ってしまったこの額縁は治療も大がかりです。

ごっそりと無くなってしまった装飾は 型取りで復元予定です。

y2

 

さて なぜこの額縁が落下してしまったのか?

紐が切れたのではなく 金具が外れてしまったのですが

その原因は額裏を返せば一目瞭然なのでした。

y3

全面にびっしりと貼り込まれた青紙は すでに酸化変色しており

カビとホコリが隙間に溜まっていました。

金具は錆びてぼろぼろ ネジはマイナス型で古いことは明らかです。

y4

ネジはドライバーを使うまでも無く 手で引いただけで

ごっそり抜けてしまうほど弱っていました。

これではある日突然に落下した・・・というのも頷けます。

 

大切な作品をお持ちの方!

どうか定期点検を行ってください。

表から見て何の問題が無くとも 裏を見ると驚くほど変化がある

というのも決して珍しいことではありません。

ホコリがたまっていると湿気がこもりやすく 酸化や腐食も進みます。

半年~1年に一度の点検と掃除で 大切な作品が危険から守られるのです。

 

「点検してください」2012年04月16日)

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Venezia -Extra 19 Ritmo della luce- 2月09日

 

イタリアの郷愁 2011 ヴェネチア -番外19 灯りのリズム-

 

入り組んだ路地の奥や回廊は日中でも薄暗いヴェネチア。

ところどころで見かける街燈のデザインは美しく

そして灯りの色もあたたかです。

 

ドゥカーレ宮殿回廊の灯りは吊り下げ式で

天井に反射する光の影も丸いアクセントになっています。

床のモザイクの繰り返しパターン 並ぶ柱と天井アーチの連なり

そして等間隔に下げられた灯りで ポンポンとリズムが刻まれます。

luce2

 

サン・マルコ広場をかこむ回廊にも吊り下げ式の灯り。

お店それぞれのランプも横から差し出されていて

小さく主張しているのも可愛らしい様子です。

夜はもっとキラキラときれいでしょう。

luce1

 

道標の矢印看板を見失って 路地で立ち往生しても

こんなランプの灯る居酒屋を見つけたら助かります。

親しみやすい親父さんが笑顔で迎えてくれそうです。

luce3

日本だったらきっとLEDのライトになっているような場所も

ヴェネチアはまだ白熱灯のオレンジ色の光でした。

どちらもそれぞれ良いけれど

旅人の思い出には 白熱灯の灯りが印象深いのです。

 

 

ヒヤ子の2月4日 2月05日

 

2014年11月にはじめたヒヤシンスの水栽培は

「借り暮らしのヒヤ子」2014年11月24日)

当初の予定より冷蔵庫での借り暮らしが長引きましたが

今月に入っていよいよ花芽が見えるようになりました。

hiyako2gatu2 (2)

根もわしゃわしゃと伸びています。

hiyako2gatu2 (1)

成長の様子を日々見せてくれるヒヤシンスのヒヤ子さん。

健気にがんばる姿がいじらしくてなりません。

花はまだでも みずみずしい緑の葉が爽やかな気分にしてくれます。

球根の紫色との対比もまた鮮やかな美しさ。

そして近々には青い花を見せてくれるでしょう。

気長に待つ毎日です。

 

 

寒い日には 2月02日

 

私の好きな技法「石膏盛り上げ装飾」は

湯煎にかけて溶かした石膏液で 垂らし描きするようにして

模様をレリーフ状に入れる方法です。

この技法を上手に仕上げるコツは 何と言っても

石膏液の温度を適温に保ち 粘度を下げないこと。

湯煎鍋の温度をこまめに管理しつつ

石膏液の水分が蒸発していないか筆の感触で常に確かめます。

2015-01-30 13.49.30

寒い雪の日に作業をしたら 部屋を暖かくしていても

湯煎鍋の温度はすぐに下がってしまいました。

コンロに鍋をかけたり下したり。

焦りは禁物です。

あたたかいお茶で かじかむ手も温めながらの作業でした。

2015-01-30 11.02.05