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ポッライウォーロの額縁をめぐる謎 5月12日

 

渋谷文化村のザ・ミュージアムで開催中の

「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館

華麗なる貴族コレクション」へ行きました。

bunkamura

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_pezzoli/index.html

 

今回の目玉はポスターにもなっている

ポッライウォーロ「貴婦人の肖像」(板 テンペラ 油彩)ですが

このほかにもイタリアルネッサンス以降の目を見張るような

超有名どころの作品がぞくぞくと展示されており

心の中では大興奮 内心叫び通しでした。

東京では国立西洋美術館の常設展でもテンペラ画をみる事ができますが

今回の展覧会もテンペラ画の多さ

またイタリアの様々なスタイルの額縁を見られる点で

テンペラや額縁に興味のある方には見逃せない展覧会だと思います。

 

ポッライウォーロ ロレンツェッティ クリヴェッリ

マンテーニャ フラ・バルトロメオ そしてボッティチェッリ!

油彩ではクラナッハ(父) ティエポロ カナレットにフォンタネージと

美術史の教科書には必ず登場する画家たちがずらり!

これら作品を収集した ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリ氏の

眼識と財力に圧倒されます。

こんな作品が自分の身近にあって 好きな時に手に取る事ができたなんて

羨ましいような 責任が恐ろしいような・・・

 

作品が納められている額縁は これぞイタリアの額縁というような

デザインのものがほとんど。

木地にボローニャ石膏を塗り ボーロ下地に水押しの金箔です。

あるいは 水彩や版画が納められている額縁は

胡桃の木の杢を突板にして貼った伝統的な製法の額縁など

シンプルにしてゴージャスなものもありました。

 

さて額縁といえば。

目玉のポッライウォーロ「貴婦人の肖像」が納められた額縁は

現在は下の写真のような額縁に入って展示されています。

(写真は図録から。ミラノの美術館での様子のようです。)

pezzoli2

平面的な木地に石膏の盛り上げ装飾で植物文様を入れ

全面を赤色ボーロ(おそらく) そして金箔仕上げになっていました。

そして下の写真は ジャン・ジャコモ氏がまだご存命当時の様子。

pezzoli1

おそらく1800年代半ば以降でしょうか。

現在の額縁と違うことに気づきます。

 

いつ交換されたのか?

なぜ交換されたのか?

誰の意向?

新しい額縁はどのように調達されたのか?

ポッライウォーロ活躍当時の古い額縁なのか

またはそのスタイルに合わせて新しく作られた額縁なのか?

 

気になります!