diario
古い板絵と古い言葉 4月21日
先日 描き終わったテンペラ画模写の天使像を見た人が
「板がひわっている」と言いました。
ひわっている? 初めて聞いた言葉でした。
広島弁で「反っている」「歪んでいる」という意味だとか。
おそらく「罅る」「干割る」という古い言葉を元にしているようです。
たしかにこの板絵の支持体板は「ひわって」います。
こうならないためには 板の両面に同量のニカワと石膏を塗る
または湿度を与えて重しをするなど工夫が必要です。
美術館などでたまに古い板絵を見ると 反ったり歪んだ板絵があります。
その反りがいかにも古い感じをかもしだしていて
「ひわり感」もまた悪くないと思っていました。
(描いた画家また所蔵先の美術館にとっては不本意かもしれませんが。)
それでこの板の反りもそのままにしていたのでした。
でも・・・「ひわっている板絵」はやはり
気になって落ち着かない人もまたいるのですね。
今日は新しい言葉を知って そして
“ひわり感の好みもそれぞれ” も知りました。