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大切にされた証 3月17日

 

いま修復でお預かりしている額縁は

クラシックで美しいデザインで

おそらくヨーロッパで作られたものと思われます。

今回修復ご依頼をくださったお客様の前の持ち主の時代に

修復された痕跡がありました。

角の装飾が欠けてしまって 少し色の違うクリーム状の材料で

おおまかに形を作っています。

DSC_6248

もしかしたらプロの仕事ではないかもしれません。

だけど おそらくこの額縁と作品に愛情を持って

大切にしておられたであろう痕跡です。

それから時間か過ぎた今 その修理の部分がまた欠けて傷みが進みました。

今回の修復では この欠けた部分に(他の欠損部分にも)充填し

古い修復部分の造形も手を加え 他の既存部分を参考にして

元の形を再現します。

古い修復跡も取り除くことはせず この額縁の歴史とします。

 

いつかまた必ず 修復をするべき時が来ます。

時と共に重厚さや趣を増して くりかえし修復を施され

大切にされた痕跡を積み重ねていってほしいと思っています。