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Bocca della Verità a Tamaci 10月31日

 

田町にあるイタリア料理店の前でみつけた“真実の口”

Bocca della Verità.

数年前に渋谷で見つけたバージョンは

ただのオブジェでしたが

http://www.kanesei.net/2011/03/21.html

こちらはなんと 占いマシンなのでした。

それも手相占いですって!

古代ローマにも手相占いがあったのか

そんなことは関係ないのです。

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100円を入れれば トリトンが口の中で手相を占ってくれる・・・

“真実の口”から出される答えなら 当たっていそうですが。

こんど気が向いたら ひとりきりの時にでも占ってみます。

 

ファイル:Bocca della verita.jpg

(wikipedia よりお借りしました)

ちなみに上の写真がローマにあるオリジナル

“真実の口” Bocca della Verità

田町のほうが怖そうな顔ですね。

オリジナルは・・・何百年も人々の「嘘と真実」を見て

達観したかのような表情。

 

 

あわよくば 10月28日

 

額縁木地に膠で溶いたボローニャ石膏を塗り

一日日陰で乾かしたら 紙やすりで磨きます。

マスクとエプロンでの防備は欠かせません。

真っ白になりながら180番~400番までの紙やすりで

徐々に磨き仕上げます。

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フィレンツェの額縁師匠マッシモ氏の工房では

水研ぎ用の紙やすりを使っていました。

水研ぎでしたら粉も飛ばず作業スピードも格段に速いのですが

装飾の凹凸を仕上げるには 粉だらけになっても

乾いた状態で磨いたほうがわたしには向いているようです。

 

さて 磨き終わったときには 机に石膏粉が山になっています。

なんだか塗った石膏の半分は削り取ってしまったかのように大量です。

これは石膏と膠の混ざった粉ですので あっさり捨てるのも勿体ない。

何か再利用できないかな・・・と思っていたのです。

むかしのある日 大学時代のテンペラ画の先生に相談したところ

「僕もそう思っていて 残った粉をもう一度水で溶いてみたんだよ。

でも気泡が多すぎて使い物にはならなかったね。」とのことでした。

たしかに埃や紙やすりのカスも混ざっているでしょうし

そう単純な話でも無かったようです。

あわよくば・・・はやっぱりダメ というお話でした。

 

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Venezia -Extra 10 Vari biglietti di Roma- 10月24日

 

イタリアの郷愁 2011 番外10 さまざまな切符

 

先日のトピックでヴェネチアの船バス「vaporetto」の

切符をご紹介しましたが

今日は遅ればせながらローマの切符いろいろご紹介です。

なにせ「旅先の物は捨てられない」性分のわたしなので

地下鉄も美術館も 入場券はすべて持ち帰りました。

 

この旅で最初の訪問地 ローマ到着時に買った切符。

ローマのフィウミチーノ空港からテルミニ駅までの

電車の切符は 片道一枚14ユーロでした。

30分くらいでローマの中央駅テルミニに着きます。

「レオナルド・エクスプレス」という名がついた直通電車です。

良く見るとレオナルド・ダ・ヴィンチの肖像画が印刷されています。

こんなところもイタリアらしいデザイン。

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こちらはローマの美術館や博物館切符です。

コロッセオの風景版画のデザイン切符は

フォロ・ロマーノの入場券でした。うつくしい。

右下はヴァチカン美術館 その左はサンタンジェロ城の入場券。

ヴァチカン美術館切符の図はラファエロの描いた有名な壁画

「アテナイの学堂」から これまたレオナルド・ダ・ヴィンチを

モデルとしたとされる部分です。

ローマとレオナルドの関係は深いのですね・・・。

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最後はローマの地下鉄とバスの切符です。

こげ茶色と黄色にローマ市の紋章が入って素敵なデザイン。

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これらは一枚1ユーロで75分間なら片道どこまでも乗れます。

または4ユーロなら1日乗車券が購入できます。

ちなみに上の写真の黄色いスペースに書いてあるのは

“Sei pronto ad affrontare il controllore?”

「あなたは取締を受ける準備はできていますか?」

イタリアは切符を買っても改札で検印せずに

使い回して乗ってしまう人が後を絶たず

抜き打ちで検札されることがあります。

その警告文が切符に記されているのですね。いやはや。

自動販売機で買った切符の裏側には

買った日時 期限切れになる時刻が印刷されて一目瞭然。

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こうして様々な切符をみると お国柄も垣間見えて

とても興味深く 旅先ではつい切符も溜めてしまいます。

以上 ローマの切符いろいろでした。

 

 

念を入れることは 10月21日

 

「念入りに」とは 本当に良く表現した言葉だと思います。

「念入りに」は細かい点にまでよく気をつけて

物事をすることを差す言葉です.

これがなんともとても難しいことで・・・

KANESEIの額縁も「念入り」の完成度を目標にしています。

 

額縁をひとりで作っているとき そして完成したとき

実感するのは「まるでわたしの分身のよう」です。

木材を切るところから始まって最後の仕上げまで

わたしの手が触っていない部分 見ていない部分は無いはず。

特にワックスでアンティーク仕上げにするときなどは

布より手のひらで磨いたほうが好みの雰囲気になるので

それこそ「念入りに」撫でまわしているわけです。

警察の指紋検証をしたら それこそびっしり指紋だらけ!

 

本来の「念入りに」の意味から外れますけれど

小さなシンプルな額縁も 大きな凝った額縁も

それぞれに 何と言いましょうか わたしの「念」が

込められてしまっているような気がしています。

深夜にKANESEIの額縁を見たら わたしの生霊が撫でまわしていた・・・

なんて話があっても「さもありなん」かもしれません。

 

不気味ですね!

「念」と表現すると違った意味合いも連想しますけれど

でもやはり 手仕事で作ったものは 多かれ少なかれ

そんな風に作者の「その物に向かう気持ち」が

より多く込められているものなのだと思います。

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満月の不思議 10月17日

 

明後日の10月19日土曜日は満月です。

満月の日は狼男が出るとか

サンゴやウミガメの産卵は決まって満月の

大潮の日に行われるとか・・・

神秘的な現象が多いようです。

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人間界でも出生率が上がる 事故が増える なんてことも

聞いたことがありますが 実際どうなのでしょう。

不思議ですね。

わたし自身の身心の変化は 有るような無いような。

食欲の増減や睡眠の長さの変化等 気づいていないだけ?

『地球の生物』としてはあってしかるべき変化なのかもしれません。

明後日の夜 改めて自分でチェックしてみようと思います。

 

今年9月のお月見の日 珍しく快晴だった東京

我が家の庭からダメ元で撮ってみた月の写真が

きれいに撮れていて我ながら驚きました。

廉価版入門機の一眼レフカメラとセットだった望遠レンズも

あに図らずや!

きちんと「餅つきうさぎ」が撮れました。

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La nostalgia in Italia 2011 Venezia -Il biglietto Veneziano- 10月14日

 

イタリアの郷愁 2011 ヴェネチア -ヴェネチアの切符-

 

ヴェネチア旧市街は車の通行が制限されており

道行くのは人 せいぜいリアカーです。

自転車通行は可能かもしれませんが 見かけませんでした。

乗り物は すべて船。

モーターボート 小さな貨物船 ゴンドラ・・・

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旅行者の移動手段は もっぱら歩きか “Vaporetto” という船のバスです。

下の写真 運河の左側に見える黄色い小屋が船バスの停留所ですが

浮桟橋なので波でフワフワと揺れ続けています。

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下の写真のような切符は 街のタバコ屋やキオスク

または乗り場の窓口で買えます。

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“biglietto ricaricabile” とありますが

イタリア語で”biglietto”(ビリエット) は切符

そして”ricaricabire” (リカリカービレ)とは「再チャージ可能」とでも言いましょうか

いわばsuica のように まとめた金額を入れておくことができるカード。

・・・ですが 写真でご覧のように乗る度に何度も買っていたわたし。

気づいたのは帰国後にゆっくり眺めた時でした。

エコにもならず もしかしたら無駄遣いになっていた可能性も。

これからヴェネチアに行かれる方は どうぞチャージしてお使いください!

 

ちなみに 裏側には広告が載っています。

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左は旅行代理店 右はどうやらバイオメディカルセンター。

左は旅行者向け(「イベントチケットの購入代行します」とあります。)

右はきっとイタリア在住者に向けたものでしょう。

船バスに乗りながら切符裏を見て それぞれ明日の予定を立てたり

あるいは家族や自分の健康について思い悩んだり。

広告を見るのも なかなか興味深いです。

 

 

印象の変化をたのしむ 10月10日

 

数年前に偶然見かけて手に入れた

小さな版画作品があります。

「プラハの作家」とだけ書かれていたので

作者の名前も作品タイトルもわからない小品ですが

プラハの天文時計塔がある美しい風景です。

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上の写真は もともと我が家に来た時にはいっていた

黒いシンプルな額縁で 最低限の仕様のもの。

ちょっと気分を変えようと思い 手元にあった

ハガキサイズの額縁に入れ替えてみることにしました。

 

ひとつ目は 木地に金の装飾が入った額縁。

印象が明るくなったようです。

作品のイメージも少し楽しげな雰囲気に。

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つぎは彫刻の入ったもの。

「works」ページの「classical」にある「FIORE-2」スタイルです。

上の額縁より色が濃いぶん シックな雰囲気です。

そして作品に広がりが出たような印象になりました。

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同じ作品も 額縁によって印象が変わります。

シンプルが一番!と最初の黒い額縁を選ぶも良し

お家のインテリアやお好みに合わせて または季節ごとに

額縁を着せ替えて飾るのも楽しみ方のひとつです。

いかがでしょうか?

 

 

額師風雅さんの額展 10月08日

 

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四国の愛媛県 松山で工房をひらいておられる

額師風雅さんから展覧会のお知らせが届きましたのでご紹介します。

 

もう何年も前になりますが 神戸で風雅さんが主宰なさった

額縁のグループ展があり わたしも参加させて頂きました。

それ以来 お会いする機会は限られていますが

様々なことを教えて頂いたり 額縁業界の方をご紹介くださったり

そして励まして下さって・・・大変お世話になっております。

 

今までのイメージでは 風雅さんの額縁は

男性的な力強い雰囲気だったのですが

ハガキを拝見する限りでは なんだか作風が更に広がったような?

 

銀座1丁目の かわうそ画廊にて

10月7日(月)から12日(土)です。

12時~19時開廊(最終12日は17時まで)

額縁にご興味のある方 ぜひ風雅さんの展覧会にお立ち寄りください。

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額師風雅的額装生活(風雅さんブログ)http://fuga.blog.so-net.ne.jp/

 

湿度と伝統と 10月07日

 

そろそろ金木犀の香りも漂って

天高く馬肥ゆる季節は

同時に古典技法額縁制作日和 でもあります。

 

ニカワで溶いた石膏を木地に塗っても

水押し技法で金箔を貼っても

乾いた空気のさわやかな日は仕上がりも良く

つくづく「乾燥したイタリアの伝統技法なのだ」と

実感する毎日なのです。

日本の漆は湿度が無ければ乾かない(固まらない?)のですから

その土地土地に合った技法が伝統として継承されていくのですね。

 

湿度のある日本で 乾燥したイタリアの技法をわざわざ使って

額縁を作るのは 材料の航空運搬や代理店 エアコンの恩恵等々

現代だからこそできている訳で・・・

仕事がはかどる季節は 色々と考えさせられる季節です。

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La nostalgia in Italia 2011 Venezia -Il lavoro della mattina- 10月03日

 

イタリアの郷愁 2011 ヴェネチア -朝の仕事-

 

晩秋の夜明けは遅くて 午前8時でもまだ朝焼けの名残。

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寝起きのまま ぼんやり窓の外を眺めていたら

ひとり またひとりと男性がやってきます。

右の公園から柵を超えて・・・何事でしょうか。

 

どうやら宿の目の前にある運河はゴンドラの夜間保管所らしく

彼らはこれから出勤するゴンドリエーレ(ゴンドラ乗り)なのでした。

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もくもくと カバーをはずし片づけ 整備を確認して

音もなく大運河へと消えていきました。

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街にいくつもある「ゴンドラ乗り場」から観光客を乗せて

ロマンチックなカンツォーネを歌いながら

今日も優雅に水路を滑らせていく・・・そんな男性たちでした。