diario
ただ なんとなく 7月08日
先日 納戸の片づけをしていた母がくれました。
文庫本より一回り大きいくらいで 思いがけずずっしりと重い箱。
開けてみると 古いコンパスのセットでした。
何年も前に不忍池の上野骨董市で買ったものだとか。
母は使う目的があって買ったわけでは無くて
「ただ何となく買った」そうです。
・・・この母にしてこの娘(わたし)あり。
使い道とか必要性とか理由を考えることもなく
古いものに呼ばれて買ってしまうのですね。
アルファベットの商標 神田の文字
濃紺のベルベットとモアレの布
錆びているけれど欠けることなく今に至る一揃い。
どんな経緯で上野骨董市に並ぶことになったのか
知る由もありませんけれど
仕事道具として大切にしておられたであろう元の持ち主は
きっと夏には開襟シャツと麻の白いスーツ パナマの帽子
そして眼鏡をかけた眼光鋭い痩せた人・・・
だったのではないでしょうか。