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La nostalgia in Italia 2011 -Per Firenze- 6月28日

 

イタリアの郷愁 2011 -フィレンツェへ-

 

次の訪問先であるフィレンツェへ向かう午後。

ローマ中央のテルミニ駅からユーロスターで2時間弱の旅です。

ローマ・フィレンツェ間はおよそ280㎞だそうですから

ノンストップ2時間弱はなかなか快適な移動です。

イタリア国内をつなぐ自慢の高速鉄道だとか。

ユーロスター・イタリアの車体は赤・銀・黒で

きりりとしつつも愛嬌がある可愛らしい表情でした。

扉には日本の新幹線にもあるような(?)

「attenzione uscita」(出口に注意)の表示があります。

下の挟まれる人のイラスト・・・痛そうです。

こんなポーズで挟まれることは無さそうですが。

ちょっと笑いを誘われました。

次回は車窓の風景をご紹介します。

 

 

そこには理由があるのだろう 6月25日

 

今年で3年目になるゴーヤ「緑のカーテン」。

先月植えましたが 午前と午後で成長が目に見えるほど

ぐんぐんと育っており すでに花が咲いています。

ゴーヤは蔓(ツル)を伸ばして自身の茎を支えます。

まるで触手のようにひらひらと伸ばした蔓が

何かに触れた途端 あっという間に巻きつき始め

その植物らしからぬスピードに感心しつつ

日々の観察が楽しくてなりません。

 

ひたすらに巻きついているだけかのような蔓ですが

ある一定の間隔で 巻く方向が反転することが分かりました。

確認できた蔓の全てが ほぼ中央で反対巻きになっています。

(植物学では常識なのかもしれませんが・・・)

同じ方向で巻き続けるより安定するからか

はたまた同じ方向ばかりは疲れるからか・・・?

そこにはゴーヤにとっては必然の理由があるのでしょう。

 

La nostalgia in Italia 2011 Roma -La pizza Margherita 6月21日

 

イタリアの郷愁 2011 ローマ -ピッツァ・マルゲリータ-

 

ローマで最後の食事は スペイン階段近くの繁華街にある

ちいさなピッツェリア(ピザ食堂)でのランチでした。

テーブルクロスは赤いギンガムチェックでイタリアらしい雰囲気です。

ランチセットはピザとドリンク10ユーロ。

場所柄か観光客向けのメニューですね。

運ばれてきたピザは 生地にトマトソースとモッツァレラチーズを

乗せただけのシンプル・イズ・ザ・ベストのマルゲリータです。

正直に言いますと 店構えや雰囲気からあまり期待していませんでした・・・

が 薄焼き生地にたっぷりトマトで予想外になかなかおいしいピザでした。

本当はここにバジルの緑が加わって イタリアの国旗三色が揃うはずなのに

2色で終わってしまったのは まぁご愛嬌ということで。

 

 

 

全国額縁組合連合会にて 6月18日

 

6月13日水曜日に名古屋で

全国額縁組合連合会の総会が開かれました。

一環としてセミナーもあり わたしも

講師の一人として参加する機会を頂きました。

「額縁修復の実践と材料」と題し

実際に古い額縁を例に 修復の実演を行うという内容。

全国からいらした組合員の皆さんは いわば額縁の先輩方です。

わたしが壇上に上がるのもおこがましいのですが

額縁修復の現場に興味を持っていただけたこと

また わたしのささやかな仕事に共感して下さったことに感謝し

実際にどんな道具で どのような工程を踏んでいくか

お話させて頂いた次第です。

 

午前中の名古屋到着後から セミナー後の懇親会に至るまで

一日中額縁のことだけの話題で熱気を帯びました。

額縁小売店の現状 今後の展望など また

日本国内の額縁工房創成期の話から最近の新しい動き等々

興味も尽きません。

その場に参加できたことは

夢のように幸せな有意義な経験になりました。

この経験と伺ったお話の内容を大切に

これからのKANESEI額縁の制作と修復に生かしたいと思います。

額連の方々 ご参加くださった皆様 ありがとうございました。

 

帰りの新幹線を待つ間 ホームをしばし散策です。

おみやげ売り場には銘菓「赤福」が。

昔から変わらないこと・・・これも努力の賜物ですね。

名古屋で過ごした長くて短い1日の余韻を楽しみつつ

帰路につきました。

 

 

 

臨機応変に 6月14日

 

最近は額縁の制作より修復の様子を

ご紹介する機会のほうが多くなっておりますが

今日もひきつづき。

 

額縁の修復と一言で言っても すべての額縁の症状は違いますので

修復方法も使う材料もまたそれぞれの額縁にあわせて

臨機応変に作業を進める必要があります。

その選択が難しく・・・これはひたすら経験を積むのみ。

修業は続くのです。

 

さて いま修復でお預かりしている額縁は

まだ新品と言って良いでしょう。

ですが一番目立つ部分に大きく穴があいてしまいました。

おそらく鋭利な角にでもぶつけてしまったと推察します。

こうした新しく痛みが他にない額縁の修復は

年季の入った額縁修復とはまた違った難しさがあります。

 

この額縁は箔に斑が入ったような模様になっていますので

最後に彩色で合わせていく予定です。

美しく仕上げようと思います。

 

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Roma -Il pensiero del’imperatore Adriano -  6月11日

 

イタリアの郷愁 2011 ローマ -ハドリアヌス帝の思想-

 

現在は聖天使城「Castel Sant’Angelo」と呼ばれるこの城塞は

当初はハドリアヌス帝が自身の霊廟として建設を始めましたが

西暦139年(次期皇帝時代)完成後まもなくから

長らくの間 要塞や牢獄として使われていたとか。

ハドリアヌス帝はどう思っておられたやら。

わたしが訪ねた時はすでに恐ろしげな役目も終え

中世写本の展覧会が開かれたり ティーラウンジがあったり

観光客も地元の人も憩う場所になっていました。

 

屋上には名前の由来の聖天使像が。

ライトアップで光と影のコントラストが強調され

躍動感あふれる まさしくバロック的迫力です。

そしてヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂を望む美しい夜景。

ハドリアヌス帝と言えば 以前ご紹介したパンテオンも

この霊廟同様にハドリアヌス帝によって建てられたものです。

http://www.kanesei.net/2011/12/26.html

そしてローマ郊外には有名なヴィラ・アドリアーナ

(ハドリアヌス帝の別荘)もあります。

パンテオン 霊廟 そしてヴィラ・アドリアーナの「海の劇場」

と呼ばれる人工池・・・すべて共通するのは「円形」と言うこと。

美術や建築 文学に造詣があり 思慮深い皇帝だったとか。

皇帝の哲学 目指していた美の姿が垣間見られるようです。

 

 

出来栄えはいかが? 6月07日

 

KANESEIでは木地にボローニャ石膏を塗って

下地を作っています。

ウサギ膠を水で膨潤させ湯煎で溶かし

ボローニャ石膏を振り入れて石膏液を作ります。

いつも同じメーカーの材料を使って作りますが

作る時それぞれで出来の良い石膏液だったり

なんだか「ぱっとしない」石膏液が出来てしまったりします。

おそらく季節や気温湿度 石膏の湿度や膠の状態など

様々な要因があるのだと思いますが・・・。

 

イタリアでの額縁師匠マッシモ氏とパオラ夫人が

工房である日こんな会話をしていました。

「ごらん 今日の石膏液はとても良い出来だよ。」

「そうね きれいな石膏液が出来たわね!」

石膏液の出来栄えは 筆から滴る様子で判断します。

筆から滴る液の濃度がポイントです。

理想的な石膏液を作り続けることも職人技のひとつ。

師匠の石膏液を目指して修業は続きます。

 

 

 

美術品用保存箱 ART KEEPER -美術修復スタジオからのご提案- 6月04日

 

6月になって衣替えの時期ですね。

服を入れ替えようと押し入れを開いて奥を探ってみたら

懐かしい箱に入った画用紙や折り紙の束が出てきました。

わたしが小さなころに描いた絵 習字 折り紙や貼り絵でした。

母が整理して保存してくれていたのですね。

黄色く変色したり セロテープはぱりぱりになって

過ぎた時間を感じさせられます。

懐かしいような切ない気分になりました。

それらを飾ることはもう無いけれど

この先も大切にしようと思います。

 

作家やコレクターの悩みの一つとして

作品の安全な保管方法が挙げられます。

上記のような思い出の品々もしかり。

せっかく丹精込めた作品もお気に入りの作家作品も

気づいてみたらカビが生えていたり 黄ばんでいたり・・・と

その保存方法で 作品の寿命が大きく変わります。

額縁に収められた作品のように黄袋とタトウ箱で

幾重にも保護されて比較的安全なものと違い

額装する前のキャンバス作品や写真 版画等 または

お子さんが描いた思い出の絵もコラージュも

むき出しの作品は ややもするとかなり危険な状態になります。

 

そんな作品は どうぞこのART KEEPER に入れて

安全な状態で保管していただきたいと思います。

美術品の修復工房から考え出された保管箱で

適切なph値を保ち 劣化物質を吸着する素材を使っています。

有害物質によるダメージや酸による劣化を防ぎ

黄変や褐色 経年変化の進展を遅らせる効果があります。

サイズも色も様々ご用意しておりますので

ぜひご利用ください。

(株)ディヴォート Tokyo Conservation

アートキーパー:http://www.tokyoconservation.com/art_keeper.html