diario
置くのか貼るのか 9月26日
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わたしはこちらのブログで 金箔を「貼る」と
お話しておりますが
額縁の世界では 箔は「置く」の表現を多く見聞きします。
日本の伝統工芸美術の世界でも「置く」と言うらしく
その流れが額縁にも続いているのだと思われます。
日本の明治期にできた額縁製作工房の職人さんは
それまでの様々な工芸で使われてきた日本の箔の技術を
応用して作っておられたでしょうから 当然かもしれません。
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わたしが「貼る」表現になったのは
箔技術を教えて下さった先生方がみなさん
絵画描写(油彩やテンペラ画)の世界の方々だった
という理由なのですが・・・
絵画の世界では 箔は「貼る」と表現されることが多いようです。
「貼る」の方が直接的で分かりやすい表現ですが
「置く」の方が 実際に箔作業をしていると
「確かに箔は『置く』なのだ」と感じる場合も多くて
「貼る」は客観的に見た表現であり
「置く」は体験から出る主観的な表現なのだと思っています。
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ちなみに イタリア語では Mettere という動詞を使いますが
直訳すれば「置く」にあたる単語。(他にも色んな意味があるのですが。)
つまり イタリア語でも「金箔を置く」なのです。
遠い東西の国でも 表現は共通なのでした。
なかなか面白い発見。
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