diario
モネ 庭とレシピ 8月29日
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モネの作品と言って思い出すのは 睡蓮やルーアンの聖堂など
明るい色彩で描かれた風景が主な印象ですが
果物やタルト シロップ漬けの桃の瓶などの静物
食卓を囲む家族の風景など 食にまつわる作品も描いています。
食に対する思い入れも人一倍で レシピをまとめた
ノートを6冊も作っていたそうです。
写真で見るあの大きなお腹も納得ですね。
ジヴェルニーにある 有名なモネの邸宅と美しい庭
そして食にまつわる作品の数々とレシピが載った本です。
モネのプライベートな空間である家とお気に入りの料理など
作品からだけでは分からない モネの人物像も垣間見えます。
学生時代に1度だけ ジヴェルニーのモネの家を
訪ねる機会がありました。
夏の終わりの暗い雨の日でしたが この黄色い食堂の
あまりに鮮やかな色は とても印象深く覚えています。
何もかもが黄色い食堂で摂る食事・・・どんな気分でしょうか。
そんな部屋でモネが家族と囲んだであろう料理として
きのこを使った一皿が紹介されています。
もうすぐ秋 きのこが美味しい季節です。
さっそく作ってみようと思います。
データ : 「モネ 庭とレシピ」
著者 林 綾野
株式会社 講談社
2011年1月21日 第1刷発行
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その時期なのか 8月25日
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先日 我が家のささやかな庭を
職人さんが手入れをして下さったおかげで
ずいぶんと明るく 風通しがよくなりました。
そして 3月11日以来倒れたままだった
石灯籠も ようやく元の姿に戻りました。
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あの震災から 早くも5か月になりましたが
日々の生活の中では 今も少なからず影響があります。
気持ちの持ち様 考え方も変化しました。
平凡な生活に感謝しながら過ごしている毎日の中で
節電等諸々 できる範囲でのことを続けるのは変わらなくとも
何か 気持ちをひとつ前に進めるときなのだろうか・・・
元に戻った石灯籠を眺めて 考えています。
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色にもご縁がある 8月22日
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先日ご覧いただいたホタテ貝の額縁は
金とピンクで装飾して なんとも可愛らしい雰囲気に。
アール・ヌーボーの明るい色が使われた
版画作品を額装して 完成です。
ピンクはお客様が選ばれた色ですが 振り返ってみても
ピンク色の額縁を作る機会が多かったように思います。
わたしの提案の場合もあれば
今回のようにお客様のご希望の場合もあります。
ずいぶん以前にお話したように ピンクの服や
小物を持つことはあまり無いわたしですが
どうやらピンク色とのご縁は深いようです。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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プルーストの花園 8月18日
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わたしがイタリアから帰国して間もないころ
あるカメラマンの方から個展用額縁のご注文をいただきました。
真っ白な額縁で 睡蓮を装飾のモチーフに入れてほしいとのこと。
イメージとして「プルーストの花園」20ページの
「睡蓮(ヒツジグサ)」を見せて下さいました。
プルーストの書いた「失われた時を求めて」や
「ジャン・サントゥイユ」には様々な植物の描写があって
それら文章の一部に 水彩で描かれた絵が添えてあります。
難解なプルーストの著書を読破するのは・・・
わたしにとっては中々大変な作業ですが
この本で抜粋された美しい風景描写を読んで
少しだけプルーストに近づいたような そんな気分になっています。
データ : 「プルーストの花園」
著者 マルセル・プルースト
編/画 マルト・スガン=フォント
訳者 鈴木 道彦
1998年10月31日 第1刷発行
株式会社 集英社
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Il pettine 8月15日
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真夏の海に出かける機会も めっきり減りました。
暑さが苦手なのもありますが・・・。
輝く入道雲を見上げながら 気分だけでも海へ。
そんな理由だけではありませんが
帆立貝のモチーフを入れた額縁を作っています。
pettine・・・(伊)ホタテガイ
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寝ぼけ眼にどうぞ 8月11日
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夏の楽しみのひとつ 真っ赤なプラムを買いました。
薄い黄色 深い赤 紫 半透明で瑞々しくて美しい果物です。
でも色と味はうらはらで あまりの酸っぱさにびっくり仰天
寝ぼけた目が覚めました。
人は見かけによらない。
プラムも見かけによりません・・・。
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目丁一座銀市京東 8月08日
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修復ご依頼を頂いて 先日お預かりした額縁には
裏側に製作した額縁店のラベルがありました。
銀座一丁目の玉木商会。
この額縁が作られた年代ははっきりしませんが
右頭の横書き文字 納められていた油彩作品から
おそらく大正時代と推測されます。
この玉木商会は 現在の京橋にある
池田園ビルのとなりに建っていたようです。
(「中央区 今昔物語」サイトより
http://www.e-navilife.com/chuo/story/09/10/index.html
インターネットで少し検索してみましたが
残念ながら すでに玉木商会は存在しない様子でした。
どのような店構えで 職人さんはどのような方々だったのか・・・。
大正時代の額縁修復といえば 以前ご覧いただいた
坂本繁二郎の額縁にも大正11年の記載があったことを
思い出しています。
http://www.kanesei.net/2011/02/14.html
修復が終わり次第 またこちらでご覧いただく予定です。
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通せんぼしているのは誰? 8月04日
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ベルリンの街はいまも旧東地区と旧西地区で
少しずつ違いが見られますが
歩行者用信号もそのひとつです。
東側の赤信号では 子どもが手を広げている姿が。
「通っちゃだめ!」と かわいらしいですね。
Ampelmännchen(アンペルマン君)という名前もあるそうです。
ベルリンでいま 自分は旧東にいるか?旧西か?
知りたくなったら歩行者用信号を見ましょう。
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momordica charantia 8月01日
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ことしの夏も 我が家の庭にささやかな
ゴーヤのカーテンを作りました。
心なしか去年より勢いが少ないように思いますが
それでもしっかりと実りを与えてくれています。
ゴーヤはイタリア語で何と呼ぶのか疑問に思って
インターネットの翻訳サイトで見てみたら
momordica charantia という答えが出てきました。
学名ですね。
「ゴーヤ」の名は見た通り ごつごつした雰囲気ですが
「モモルディカ・カランティア」と呼ぶとなんだか
艶々としためずらしい植物のような印象です。
ゴーヤは沖縄本島での呼び名であって
日本語でも 農学・園芸学では「ツルレイシ」
生物学では「ニガウリ」と呼ぶことが多いとか。
黄色いかわいらしい花をつけますが 花言葉もあります。
「強壮」
滋養たっぷりの実を頂いて 夏を乗り切ります。
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