diario
額縁の簡単なリモデル 前編 5月30日
以前からずっとお持ちの大切な作品で
展示に不自由はないけれど
額装が古びた印象になってしまった・・・
という作品はありませんか?
修復や額縁本体の交換など大掛かりでなくても
木枠を磨き直しマットを交換するのは
スッキリと美しく甦らせるに効果的な方法です。
こちらの作品2点は1971年に額装された記載があります。
木枠はところどころの傷やスレが目立ちます。
マットは日焼けしていますし 色が作品と合っていません。
裏面を見ますと ベニヤ板は酸化して色が変わり
吊り金具にも錆が出て劣化が始まっています。
こうした酸化や劣化が 作品に大きな影響を与える前に
交換できるものは交換してしまうことで
作品の寿命も延びます。
今回はビフォーのご紹介。
近々 交換後のアフターをご覧いただく予定です。
どうぞお楽しみに…
.
格子窓の風景 幸せの図 5月26日
夕がた 一日の疲れを感じる頃に
窓から暖かな明りと団欒の風景を垣間見たら
ああ わたしも早く家に帰ろう・・・と思います。
彼らはどんな会話を楽しんでいるのでしょうか。
その日にあった様々なことを話し合える人が
待っている家がある。
幸せなことなのですね。
.
野の花に思いをよせて 5月23日
鎌倉にある骨董店の 奥の陰にお厨子がありました。
(これもお厨子と呼んでよいのでしょうか)
中欧~東欧あたりで作られたものだそうです。
装飾は素朴ですが力強くて どこが民芸風。
そして舞台装置のような華やかさです。
戸の内側に描かれた野の花から
作った職人の気持ちが感じられるように思います。
ご店主曰く「マリア様がおられればもっと
良かったのに」とのこと。
今はイエス様と聖人のお姿だけです。
東欧の領主が妻の為に特注で作らせたお厨子。
森と湖に囲まれた田舎のお屋敷で 奥様が毎日
近くで摘んだ野の花を供えてお祈りを捧げていた・・・
などと 勝手な想像は膨らむばかりです。
.
教会前広場にて 前世紀の初夏 5月19日
フィレンツェのサンタ・クローチェ教会前の
広場から撮った写真です。
見上げた空はこんなに青かったのですね。
輝く街灯の装飾 真っ白な雲はハート型。
時期は忘れました。
きっと留学最後の年 1999年夏の始まりだったと思います。
.
雨の雫も 5月16日
先週の雨続きの天気で 木香薔薇の花も
すっかり茶色になって終わりを迎えました。
庭の片隅に植えた球根からひとつだけ育った
黄色いラナンキュラスの花が 木曜日寒い雨の朝に
うつむいていたので 切花にして部屋に飾りました。
雨の雫もそのまま連れて来ました。
薄暗かった部屋が 鮮やかな黄色で明るい雰囲気に。
ラナンキュラスは十字軍が西アジアからヨーロッパへ
持ち帰って改良を重ねた植物だとか。
十字軍は略奪と殺戮を繰り返した一面もありますが
花の球根を持ち帰る人もいたのだと思うと
十字軍のちがう側面も垣間見たような気がします。
そして今はヨーロッパから東アジアへ・・・
色々と想像が膨らみます。
ラナンキュラス Ranunculus asiaticus
花言葉 「晴れやかな魅力」「名誉」「名声」
.
8人それぞれの額縁 5月12日
連休最後の日曜日に 目黒通り沿いのアンティーク店
GEOGRAPHICAさんにて一日限定の
ワークショップを開催いたしました。
満員御礼の8名様にお集まりいただいて
それぞれ小さな額縁をひとつ 完成することが出来ました。
皆様とても真剣に たいへんな集中力で作って下さり
お手伝いするわたしも充実した楽しい時間を過ごしました。
8人の方が全く同じ素材と道具を使って作りましたが
完成した額縁はそれぞれ趣に変化があり
8人8色 これも手作りならではですね。
お持ち帰りになった額縁も可愛がって頂けることと思います。
ご参加くださった皆様 またGEOGRAPHICAスタッフの方々
ありがとうございました。
GEOGRAPHICA ブログ
「WORKSHOP:5/8 アンティーク調ハガキサイズのフレームワーク」
http://geographica.blog61.fc2.com/blog-entry-1494.html
.
どちらを先に? 5月09日
映画に原作の小説がある場合には
映画を先に観るか?
原作を先に読むか?
とても悩むところですし 好みも分かれます。
わたしの経験では 映画を先に観たい と思います。
先に映像のイメージを持つと 原作を読んでいても
頭の中で役者が生き生きと動き会話してくれます。
先に原作を読んでいた時には・・・
読後のイメージを大切にしたければ 映画は観ずに。
または「別のもの」「違う解釈もある」と思える状態で。
なかなか難しいのですけれど。
みなさんは いかがですか?
木香薔薇の向こう側で 5月05日
わたしが額縁作業をする部屋の前には
木香薔薇の木が植えてあり
毎年いまの時期には美しい花を沢山咲かせます。
この木の裏側に窓があるので 道からの目隠しとなり
また 夏の強い日差しを遮ってくれます。
窓を開ければ涼しい風と花の香り。
木香薔薇に守られて 日々作業をしています。
木香薔薇(モッコウバラ) Rosa banksiae
花言葉 「純潔」「幼い頃の幸せな時間」
.
茶室とインテリア 暮らしの空間デザイン 5月02日
帯にある「日本人は、なぜ靴を脱ぐ?!」に
惹かれてこの本を手に取りました。
イタリア生活での最初の時期は 殆んどの時間を
靴を履いて椅子に座る生活を送っていましたが
予想以上に負担になった記憶があります。
ホームステイを終えて友人とのアパート生活を始めてようやく
自室の石の床に大きなマットを敷き ベッドも低くしました。
靴を脱いで床に座り 座卓で物を書き 低い寝床で眠る
日本でのわたしの生活スタイルを再現してようやく
「自分の場所」として落ち着くことが出来ました。
家の外と内での明確な違い 靴を脱ぐ。
心の切り替えスイッチでもあり きっと足の健康の為にも
欠かせない行動になっています。
タイトルの通り 日本の伝統的建築・インテリアの文化を
現代と比較し 歴史や機能などを興味深く読むことが出来ます。
茶道文化と日本建築の関係も面白く解説されており
お茶の稽古がさらに楽しくなりそうです。
データ : 「茶室とインテリア 暮らしの空間デザイン」
著者 内田 繁
工作社
2005年9月20日 第1刷発行
2009年9月20日 第3刷発行
.