diario
深呼吸をして 9月02日
ピエロ・デッラ・フランチェスカ(1415~1492)
という画家を意識して観るようになったのは
イタリアのフレンツェに留学してからでした。
電車で1時間程度の街アレッツォへ
休日にひとり出かけては聖フランチェスコ聖堂の
フレスコ画(当時は部分的に修復していました)を観たり
ウフィツィ美術館でテンペラ画を観たりと
美しい色彩と構成の世界に惹きこまれていました。
フランチェスカが描いたウルビーノ公肖像画は
有名な作品ですが わたしはいつも観るたびに
ウルビーノ公よりも背景にある遠くの山を
見つめてしまいます。
不思議な透明感のある空気が好きです。
ダヴィンチの背景での スフマートの
湿度のあるような「リアル」な風景ではない…
良く晴れた冬の きりりとした午後のような空気。
フランチェスカの風景を観ると
深呼吸をしたくなるような気持ちになります。
それにしてもこのウルビーノ公の肖像は
美化されていない「リアル」があります。
おそらくご本人に大変良く似ていたことでしょう。
最近テレビで頻繁にお見かけする
政治家にも良く似ていませんか…?
とくに目元の辺りなど。
辣腕政治家2人の表情が500年を隔てて同じというのも
不思議に納得してしまいました。