diario
雨の夕方に 6月28日
梅雨の季節は外出もめんどうに思われますが
おすすめの場所を1つご紹介します。
上野公園内の国立西洋美術館。
この美術館の常設展は 特別な企画展とは違って
比較的空いていることが多いようです。
わたしが仕事帰りに立ち寄った時も
雨の日の夕方ということもあって鑑賞者はまばらでした。
そしてここ国立西洋美術館の常設展には
綺羅星のような数々の作家の作品が展示されています。
企画展で特別展示されたら長蛇の列ができそうな作品も
ひっそりと常に大切に展示されているのです。
作品の前を独占して好きなだけ鑑賞できるのは
雨の日の夕方に訪れた者のささやかな特権でしょうか。
フラッシュを使わなければ写真撮影もできます。
(係の方に確認なさってから撮影してください。)
北方ルネサンス作品についていた額縁は
四隅に実用を兼ねた可愛らしい細工が施してあります。
ほぞで組んだ木を木釘で留めて飾りにしたようです。
こんな細工を見つけてニヤリ笑う嬉しい時間でした。
雨の日の夕方 国立西洋美術館の常設展へぜひ。
白い額縁 6月24日
以前から いつか白い額縁を作ろうと思っていました。
今回ご注文いただいた額装には白い額縁が合いそう・・・
ということで
念願の(?)白い額縁を作ることができました。
白といってもベージュに近い色に 茶色いワックスで
アンティーク加工をしています。
模様デザインは venezia-1 と同じですが
木地と色が変わると 雰囲気も変わります。
白い額縁は・・・なぜかロマンチックなイメージ。
不思議です。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
手仕事の思い 6月21日
「荻 太郎・佐野ぬい 二人展」は無事終了いたしました。
ご来場下さった皆様 大変ありがとうございました。
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遺跡を歩いていると 無造作に残されている
何世紀も前のものであろう彫刻に驚きます。
おおきな神殿の柱のほんの一部分でしょうか。
細部にもこだわり とても丁寧に作られていました。
なにかを主張するのではなく 美しい調和を保つための作業。
でも 当時そのひとつひとつを目を凝らして眺め
職人に賛辞を贈った人は数少なかったことと思います。
この彫刻を彫った職人の名前はもちろん残っておらず
完成時の面影もわずかに見えるだけになっている今も
近寄って触れてみれば
彼の仕事に対する気持ちや誇りは
わたしにもあたたかな手触りとなって伝わりました。
わたしもそんな「思い」をそこはかとなく発している
額縁を作りたいと思っています。
美味しくて涼しいもの 6月17日
入梅しましたが つかの間の晴天の東京です。
数年前にアジアの都市を旅していたときのこと。
5月半ばだというのにとても暑くてヘトヘトな時
駆け込んだカフェで助けられたデザートです。
大きな器に抹茶ソフトクリーム かき氷 あんこ
求肥やフルーツが盛りだくさんで1人では食べ切れません。
外国に来ているのに日本で食べ慣れたような甘味を見つけて
不思議な繋がりを感じました。
このデザートはこちらの国でも定番メニューなようです。
国は違えど「美味しい」と思う組み合わせは共通なのですね。
Guten Tag! 6月14日
ドイツからはるばるやってきたてんとう虫。
ベルリンの友人からの小包にこっそり潜んでいました。
中身はチョコレートですが
このてんとう虫を見るとベルリンの友人の
笑顔が思い浮かぶようで 食べたい気持ちは
どこかへ飛んでいってしまいます。
今日も彼女が笑顔で「Guten Tag!」と言っているようです。
美しいペンを持てば 6月10日
PCの大活躍によって手書きの文字を見ることが
ずいぶんと減ってしまった昨今ですが
手紙や葉書を書く機会は大切にしたいと思っています。
写真中央は佐瀬工業所のセル軸ガラスペン。
上の竹軸は骨董市で見つけた葵文具製作所製の細字用。
ブルーのペンはイタリアに住んでいた頃に買ったものです。
ふだんは佐瀬工業所のセル軸をもっぱら使っています。
プレゼントとして頂いたものですが 以来手放せません。
なめらかな書き心地と持ちやすさ 安定感は特別です。
実用一辺倒ではない繊細さと存在感。
美しいペンを持つと 美しい文章が書けるような
そんな錯覚も楽しめます。
頼もしく美しい・・・一生の友です。
劇的一場面 6月07日
曇り空のむこうに太陽が透けて見えて
とても美しい光が射してきました。
なにげなくシャッターを切ってみたら
劇的な風景が撮れていて驚きました。
嵐の前触れのような
バロック時代の版画を思わせるような光と影。
回廊にて 6月02日
モノクロ写真の古い絵葉書の
トゥールーズにある修道院を見たときから
この場所へ この修道院の回廊へ
とても行きたい気持ちになっています。
誰もいない西日の当る午後に
ひとり この回廊に立ったら何を思うだろう。
現在はこの写真当時より整備され 観光客に人気の
美しい中庭になっているようです。
それは喜ばしいことですが
絵葉書の風景はもうありません。