diario
pergamena 羊皮紙 その6 ジェッソ 1月13日
羊皮紙での作業も 石膏下地のテンペラ作業でも
金箔の貼り方は同じと思っておりましたが
材料も手順も違いが多いことは今回知ることが出来ました。
羊皮紙工房の八木先生からメールでご指導いただいて
作業中の羊皮紙に金箔下地を塗りました。
テンペラの金箔下地はボーロ(箔下トノコ)を魚膠で溶いたものですが
羊皮紙ではボローニャ石膏と鉛白 粗糖 魚膠 ボーロなどを
水練りした「ジェッソ」を下地材として塗るそうです。
いわばテンペラの石膏下地とボーロを混ぜた物といった感じでしょうか。
わたしの経験では膠分が少なくて固着力が心配でしたが
糖分の威力なのか 乾いたジェッソをメノウ棒で磨く時点でも
キシキシとした粘り気がある手触りで しっかり定着していました。
上の写真は乾いたジェッソのラインと整え メノウ棒で磨いたところ。
白く見えているのがジェッソを塗った部分です。
今回教えて頂いた方法では 赤ボーロは色づく程度にしか入れていませんが
手元にあるフラ・アンジェリコの画集写真を見ますと
テンペラ同様に濃く赤いボーロ下地が見えていますので
フラ・アンジェリコは別の方法で制作していたようです。
職人作業は正しく「10人10色」ですから
金箔の貼り方にも色々な方法があったのですね。
次回はいよいよ金箔貼りです。