diario
格子窓の風景 送らなかった便り 12月11日
イタリアに住んでいた頃はコンピューターを持っておらず
日本の友人には手紙や葉書を書いていました。
友人を思い浮かべながら 一枚一枚ペンで書く便りは
PCメールより気持ちが篭もっていたようです。
また日本から届く手紙も 海を渡って来たかと思うと
ひときわとても貴重で大切な物に思えました。
当時の手紙はすべて大切にしまってありますが
まだ読み返す気持ちにはなっていません。
おそらく・・・お婆さんになった頃に 穏やかな気持ちで
なつかしく切なく読み返し 思い出に浸ることができるでしょう。
先日どこから迷い込んだのか 引出しの中から
フィレンツェで買って結局出さなかった葉書が出てきました。
パラッツォ・ベッキオの格子窓からドゥオーモを見た風景葉書。
今はもう存在しない通貨「リラ」の切手800リラが貼ってあります。
ジャズフェスティバルの記念切手のようです。
でも 良く見ると端に画鋲の跡が。
切手も貼って準備したけれど この写真が気に入って
結局使わずに部屋に飾った記憶が蘇ってきました。
何を書いて誰に送ろうと思っていたのか・・・。
今でもこの葉書の写真をみると
フィレンツェでの良い思い出も辛い記憶も
さまざま思い出されるようです。