diario
額縁の本 「額装の話」 12月06日
岡村多聞堂といえば知る人ぞ知る額縁の老舗であり
取り扱う作家の名前に その歴史と格が現れている額縁店です。
この岡村多聞堂のご主人(おそらく先代)が書かれた
「額装の話」という本は古書店で偶然手に取るまで知りませんでした。
自費500部限定出版だったようなので珍しい本なのかと思いきや
ネットで検索すると価格もマチマチに 色々な古書店が扱っているようです。
梅原龍三郎の序文から始まり 床の間や絵馬についてなど
日本特有の建築や文化に及んで とても面白い解説がされています。
床の間の章の最後に 「床の間はそのまま書画の額縁として
長い歴史を歩んだことに思い到るのであります」とありますが
確かに床の間は空間そのものが 作品を周囲と調和させるための
「額縁」の役割を果たしているのだと 気付きました。
最近 わたしは「日本文化における額縁のあり方」について
色々と考え学ぶ機会を多く得ているのですが
この本もその機会のひとつとなりました。
データ : 「額装の話」
著者 多聞堂 岡村辰雄
岡村多聞堂 自家500部限定版
昭和30年4月30日 発行