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これからもまた 12月31日

 

2009年もいよいよ終わりを迎えました。

あっという間の一年に感じますが

思い返せば沢山の出来事と経験がありました。

なんと言っても こうして自分のホームページを持ち

沢山の方との繋がりが出来たことはとても大きな出来事で

わたしの支えになっています。

このご縁を大切に 今後とも精進してまいります。

 

本年はたくさんの方にご覧いただき ありがとうございました。

また 励ましのお言葉をありがとうございました。

2010年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

良いお年をお迎え下さい。

 2009年 大晦日 KANESEI

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私のフィレンツェ 12月30日

 

読み終えても またすぐ最初から読み返したくなって

心の奥深くに印象が残るような わたしが感じたことを

その作家と話したいと思うような本に出会う機会は

あまりありませんでした。

でもこの「私のフィレンツェ」は間違いなく

これから先も繰り返し読むことになる本です。

著者の松永伍一氏は詩人であり 文章の美しさは

読んでいて清々しい気持ちになります。

この本は著者が一人でイタリア(主にフィレンツェ)を

旅した時に日本へ書き送った私信を編纂したものです。

美術館で鑑賞した作品の感想 街を歩いた印象から

まつわることに関しての著者の深い考えなどが書かれている

旅行記とも言える本です。

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フィレンツェでの松永伍一氏は旅人として 私は長期滞在者として

街に対して得た最終的な印象は違うとしても

フィレンツェに対する愛情は同じなのかもしれません。

美しい言葉で綴られる情景描写を読むと

少々感傷的な気分になりつつ 記憶が10年前へ

あっという間にさかのぼるようです。

(感想をお伝えすることがいかに難しいことか!)

わたしが長々とお話するより 

フィレンツェにご興味のある方に

ぜひ一度読んでいただきたいとお勧めします。

 

残念ながら 著者の松永伍一氏は昨年2008年3月に

お亡くなりになりました。

この本に出会うのがもっと早ければと悔やまれます。

わたしもまたいつか 一人でフィレンツェを旅する機会があれば

この本を片手に著者の足跡を辿りつつ その考えを

「その場で」感じてみたいと思っています。

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データ : 「私のフィレンツェ」

      著者 松永伍一

      株式会社 講談社

      昭和52年3月15日 第1刷発行

pergamena 羊皮紙 その5 下描き 12月29日

 

8月 夏の盛りに実習で作った羊皮紙ですが

秋が過ぎ冬真っ只中になってようやく下描きを終えました。

作業不足からか 数ヶ月寝かせていたせいか 

夏頃より羊皮の脂肪分が表面に浮いている手触りなので

八木先生(羊皮紙工房主宰)のお話に従って

マニキュア除光液を含ませたコットンで拭いてみました。

程よく脂肪分が拭われ 少々気になったニオイも

ずいぶん取り除くことが出来たようです。

 

下描きしたのはフィレンツェのサン・マルコ美術館所蔵

フラ・アンジェリコの細密画「ミサ典書」から受胎告知の場面。

次に待つは金箔の下準備です。

今回選んだ絵は金の面積が広いので 第1試作にしては

ハードルが高かったかもしれないと心配もしつつ

八木先生の「羊皮紙工房」内「装飾写本の作り方」を参考に

http://www.youhishi.com/manuscriptmaking.html

自己流を加えて なんとか作業を進めてみようと思います。

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アイルランドの王様の耳はロバの耳 12月28日

 

アイルランドを旅しているときに手に入れた

絵本「Great Irish Legends for children」です。

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昔話が6つあり 巨人や小人の話 勇敢なお姫様のお話などなど

そのひとつに日本でも有名な「王様の耳はロバの耳」がありました。

このお話はグリム童話やイソップ物語のひとつかと

思っていましたが アイルランドの昔話だったようです。

色鮮やかで古典的な雰囲気の絵がとても美しく

簡単な英語(子供向けですので…)で書かれたお話は

大人のわたしが読んでいても愉しい絵本です。

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それにしても おそらくどこの国の昔話にも必ず

小人と巨人のお話はあるものですね。不思議です。

日本で有名な巨人といえば でいだらぼっち。

人間の想像力は国は違えど同じ ということでしょうか。

それとも 昔々には本当に小人も巨人も存在したのかもしれません!

恐いような会ってみたいような・・・

 

データ : 「Great Irish Legends for children」

       著者 Helen Burnford & Eveleen Coyle

       Gill & Macmillan Ltd

                     1994年 第1刷発行

冬の訪問客 12月27日

 

毎年寒くなる頃に 林檎や蜜柑を半分に切ったものを 

おすそわけとして庭のもみじの木に置きます。

しばらく様子を見守っていると色々な野鳥が訪ねて来るのです。

その様子をこっそり眺めるのも冬の楽しみの一つ。

我が家の庭に来てくれるのは おおよそ5種類の鳥です。

まずは代表格のスズメ。ふくふくして可愛いのです。

すぐに逃げてしまうので観察も難しいですが

よく見ると模様もなかなか凝っていて 白い襟巻きが素敵です。

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5種類のうち一番小さいのがメジロで いつもカップルで来ます。

とても仲が良い様子で微笑ましい2羽。

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さかさまになって一所懸命食べているのはシジュウカラです。

数羽で来たり 一羽で来たり。

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美しい羽を持つオナガはカラスの種類だそうで

上の3種に比べると その大きさに迫力があります。

全長35センチほどあるそうです。

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そしてこの餌場の主となっているのがヒヨドリです。

赤いほっぺで挨拶しているような愛くるしさですが

小さなメジロとシジュウカラが仲良く食べていても

猛スピードで追い払う 独占欲の強い鳥。

少々お説教したくなります。

が・・・小さな鳥達はヒヨドリが出かけている間に

ここぞとばかり食べている逞しい精神の持ち主なのです。

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彼らが健康で無事に春を迎えられますように と願います。

L’ottagone 八角形の額縁 12月26日

 

以前からずっと作ってみようと思っていた

八角形の額縁を ようやく完成させました。

八角形第一弾として今回は黒檀の寄木でシンプルに。

とは言え 木片それぞれ特徴ある木目が見えますので

黒から茶色のグラデーションのある縞模様があり

おもしろい趣になったと思います。

(写真で上手に木目を写すことができませんでした・・・。)

 

中に入れたのは フィレンツェのベッキオ橋から

西(下流)の方角を撮った写真です。

サンタ・トリニタ橋の美しいカーブが印象的な風景。

わたしがイタリアから帰ったばかりの頃に

大変お世話になったカメラマンの方の作品です。

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この額縁の名前 ottagone (オッタゴネ)とは

イタリア語で八角形の意味です。

英語では octagon (オクタゴン) octopus「タコ」  同様に

ラテン語の8を表す octo (オクトー)が語源のようです。

 

*本日「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

明かりを灯して 12月25日

 

クリスマスです。

街はひと月からイルミネーションが輝いていましたが

それも今日の夜の為ですね。

みなさんはどのようなクリスマスをお過ごしでしょうか。

わたしが子どもの頃は母が準備してくれた小さなもみの木に

飾り付けをしたり プレゼントを貰ったりと

とても幸せなクリスマスを過した記憶があります。

大人になった今は 少しだけクリスマスらしい飾りを楽しんでいます。

 

東京はホワイト・クリスマスにはなりそうもありませんが

家族と一緒にゆっくり過そうと思います。

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額縁の本 「Repertorio della Cornice Europea」 12月24日

 

今日ご紹介する本「Repertorio della Cornice Europea」は

「ヨーロッパにおける額縁の種類」とでも訳しましょうか

スペインのプラド美術館で買いました。

絵葉書などを売っているお店の一番奥

ガラスケースにひっそりと置かれていました。

スペイン語かと思いきやイタリア語でしたので

悩んだ揚句 スペインの旅の記念として買うことにしました。

お陰でスーツケースの重さがずいぶん増えましたが

思い切って手に入れてよかったと思っています。

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いままでにご覧いただいた額縁の画集(写真集でしょうか)同様

時代ごと国別に額縁の遍歴を見ることが出来ますが

この本は他の本より更に紹介されている額縁数が多いのが特徴です。

 

下の写真は19世紀イタリアのナポリで作られた額縁。

模様はすべて小さな木片で出来ているモザイク額縁です。

100年以上経ってもこんなに美しい状態であり続けるモザイク。

この素晴らしい職人技に改めて敬意を表します。

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データ : 「Repertorio della Cornice Europea」

      著者 Roberto Lodi / Amedeo Montanari

                 edizioni galleria roberto 編

      2003年9月 第1刷発行

5つの青 12月23日

 

今月12日にご覧いただいた引き手5つが完成いたしました。

http://www.kanesei.net/2009/12/12.html

木地を削りだし下処理し ブロンズ青錆を出す塗料を塗って

艶消し仕上げにしました。

これらを引出しに2点ネジ留めして引き手として使います。

青錆は猛毒ですがニスでしっかり留めましたので

使うたびに手に付くことは無く安心です。

 

青錆は塗料のバランスで自然のムラが出ましたが

それもなかなか良い雰囲気を出していると思っています。

これからこのブロンズ青錆を使った額縁も

作ってみるつもりです。

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* 本日「works」内「other」にこちらの引き手をアップいたしました。

   どうぞご覧下さい。

車窓を眺めながら 12月22日

 

ヨーロッパの大きな駅構内には 日本と同様に

キオスクやカフェテリアがありますが

お菓子やサンドイッチなどと一緒に果物を売る店を見かけます。

この写真のお店で売られていた果物は

さすがナイフで皮をむく必要のない物ばかりでした。

少々くたびれた売れ残り・・・と言う感じではありますが

大きな荷物を担いでの旅の途中 ようやく座ったコンパートメントで

車窓を眺めながらのんびり食べる野性味のある林檎は

きっと思い出に残るに違いありません。

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引き継がれていく宝物 12月21日

 

ひさしぶりに寄った骨董店で

可愛らしい指物の引出しを見つけて手に入れました。

文庫本程度のちいさなものです。

たばこ用でしょうか 上部には小物を並べ

下の引出しにはマッチを入れたのかもしれません。

いつもながら職人の技には感嘆する思いです。

釘を一本も使わず組み上げる指物の技術で作られており

年月を経た今も引出しはスムーズに動き 緩みもありません。

2000円という驚くような低価格で買うことが出来ましたが

作った職人さんを想うと申し訳ないようです。

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溜まっていた埃を取り除いて 引出しを裏返してみたら

微笑ましい落書きが見つかりました。

ピンクのクレヨンの絵(?)と鉛筆で「さき」の名前。

おままごとで遊ぶには丁度良い大きさだったのでしょう。

さきちゃんからバトンタッチ わたしが大切に使わせていただきます。

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もう少し待っていて 12月20日

 

とにかく本が好きです。

ですが同じくらい「読書が好き」な訳でも無い

というのが問題なのであります。

読みたくて 読むべきだと思って手に入れたけれど

(相変わらず古書です。ご覧のとおり。)

本棚にしまったまま時間が過ぎるばかり・・・の本が

いくつかあるのですが この2冊も例外に洩れず。

ホイジンガの「中世の秋」 ヴァザーリの「ルネサンス画人伝」

どちらも絵画史美術史の本として大切に扱われています。

「ルネサンス画人伝」は 手っ取り早く言えば当代きっての

画家たちの人物評論集なようですので(語弊があるかもしれませんが)

あの有名な画家はそんな人物だったのか と言う感じで

彼らをより身近に感じられるような 好奇心くすぐられる内容です。

「中世の秋」に関してはどうやら中々手強そうです。

どちらの内容もヨーロッパの歴史 宗教 地理などを

知っておくとより理解し易いようなので(特に「中世の秋」)

基礎知識をもっと勉強してから読もう・・・と思って今に至ります。

本棚から「いつ読んでくれる?」とひっそり尋ねられているようで

とても気になっている2冊です。

年末恒例 来年の抱負のひとつに「この2冊を読み終える」

を加えたいと思います。

読み終えた方の感想など お聞きかせください。

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金柑 12月19日

 

冬になると我が家の食卓に登場する金柑の蜜煮です。

ブリの塩焼きに添えたり おやつに食べたり。

作り方も簡単だそうです。(私は作っていません・・・。)

この金柑をチョコレートでコーティングしたら

おいしそうだな・・・と企んでいます。

パリッとしたチョコレートの中から

トロリと金柑の甘さが広がるなんて いかがですか?

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Exlibris 蔵書票 12月18日

 

美しい状態の古書には 見返し部分に

蔵書印または蔵書票がある場合があります。

とても大切に そしてその本を持っていることを

誇りに思っていたであろう前の持ち主を思います。

欲しくて探して手に入れたフラ・アンジェリコの古い本にも

立派な蔵書印がおしてありました。

「瀧川蔵書・・・」(最後の2文字が読めません)とあります。

瀧川氏はこの本を読んでどんな感想を持たれたでしょう。

 

銀座の大きな文房具店で 美しい蔵書票を見つけました。

大切な本に貼ろうか・・・と考えましたが

照れくさいような おこがましいような気がして

まだ使っていません。

exlibris

ネットで「蔵書票」の歴史を調べて見ると 15世紀ドイツが始まりであり

名のある画家が作った蔵書票なども見ることが出来ました。

「Ex Libris」とはラテン語で「誰々の蔵書から」の意。

イタリア語で本は「Libro」(単)なので「本」というイタリア語は

ラテン語からほぼそのまま来ていることがわかりました。

松風 12月17日

 

冬のお茶の稽古では お釜からしずかに立ちのぼる

湯気の暖かさに和みつつも 気分は引き締まります。

茶室では湯の沸くしゅんしゅんという音だけが聞こえていますが

この音を松を渡る風に例えて「松風」と呼ぶそうです。

茶の湯では湯の沸く音にまで名前がついているのですね。

目を閉じてみると ほんの一瞬ですが 

ゆるやかな海岸線と穏やかな海

陸地につづく長い長い松林が思い浮かびました。

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「works」の額縁 altalena 12月16日

 

イタリアの住宅街にも日本にあるような

遊具のある児童公園があります。

シーソーや滑り台で小さな子供が遊んでいました。

わたしが一番好きだったブランコもあります。

さすがに乗って遊びはしませんでしたが

イタリアの人達の幼い頃の記憶にもブランコがあるのか・・・と

共通の思い出を見つけられたようで嬉しくなりました。

 

今日ご覧いただいている額縁のデザインは

古いイタリアの額縁の模様を参考にしました。

名前は altalena. イタリア語でブランコの意味です。

お花がブランコで遊んでいるような模様があることから付けました。

 

薔薇の花びらがあったので額縁に添えてみたら

写真が大変乙女チックになってしまったようです・・・。

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* 本日「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

   どうぞご覧下さい。

冬の庭で 12月15日

 

四季咲きの薔薇が欲しくて

ちいさな苗を木桶に植えて 庭の片隅に置きました。

その薔薇が先週小さなつぼみをつけて 

少しずつ咲き始めてていたところ 急に寒くなり

開花が止まったまま数日が過ぎました。

可哀相に思いつつも切ってグラスに生けましたが

薔薇は開ききる前に散り始めました。

 

冬の庭の寒さで開花できなかった薔薇ですが

明るい午後の日差しの暖かな室内で眺めると

薔薇の周りだけ春めいて感じます。

部屋の中にはふわりと薔薇の香りが漂いました。

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Jamon Serrano está delicioso! 生ハムは美味しい! 12月14日

 

イベリコ豚が日本で有名になって久しいですが

スペインでもイベリコ豚は一目置かれる美味しい食材です。

マドリッドの旅行中に立ち寄ったハムのお店は

ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)をはじめ

さまざまなハムやサラミが所狭しと並んでいました。

まさに天井から床まですべて「肉」の光景は圧巻です。

イタリアの市場にもハムのお店は沢山ありましたが

店主さんの顔が陰で見えない程の品揃えは初めてでした。

日本ではあまり見る機会もないような

肉の脂部分(肉無し)の塩漬けなるものも売られています。

ワインやビールのおつまみでそのまま食べるのは勿論

サンドイッチにしたりするととても美味しいそうです。

さすがはハムの本場ですね。

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ちなみにスペイン語でハムは「jamon」(ハモン)で

フランス語のハム「 jambon」(ジャンボン)と同じ語源。

「もも肉」を意味する単語から来ているそうです。

一方イタリア語では「 prosciutto」(プロッシュート)です。

こちらは「すっかり乾燥させる前」という意味だとか。

ラテン語族の語源探しも楽しくなってきました。

愉しき西洋骨董 12月13日

 

この本のタイトルを見ただけで

いかにもKANESEIが好みそうな本だな・・・と思われるでしょうか。

これもまた古書店で見つけました。鎌倉の小町通にあるお店です。

著者の豊福知徳さんは現在ミラノ在住の彫刻家で

彼の素晴らしいコレクションの紹介と

西洋骨董に対する熱い気持ちが綴られています。

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彫刻は勿論 民具や板絵 アフリカの素朴な人形など多岐に渡ります。

イタリア在住の方ならではの収集内容も魅力的です。

その中に古い額縁のコレクションも紹介されていました。

彫刻家から見た額縁について 日本の表具との比較など

著者ならではの考え方も興味深く読みました。

それにしても羨ましいコレクション!

ルネサンス時代の美しい板絵を自宅で楽しめるのです。

実物を拝見できたら素敵だなぁ・・・と思いつつ。

データ : 「愉しき西洋骨董」

      著者 豊福知徳

      株式会社 新潮社

      昭和59年11月25日 第1刷発行

いつも五つ子 引き手 12月12日

 

11月の初めに作った 引出し用の赤いツマミは

とても気に入っていただけたようで

また同じご依頼主から小引出しのために

「引き手」のご注文をいただきました。

前回のツマミは一点でネジ留めするタイプでしたが

今回の引き手は二点で止めるタイプ。

取り付ける予定の小引出しの写真を送ってくださいました。

シンプルなレトロモダンな姿なので引き手もシンプルに

かつ少し遊び心もあって持ちやすい形を目指しています。

形は違いますが5つセットなのはいつも同じです。

小引出しの引出し数は5つと相場が決まっているのでしょうか。

写真の小引出しは引き手が無くなってしまい

黄色い紐で代用されているような気の毒な姿。

早く完成させて元気に活躍して欲しいと思っています。

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額縁以外のこうした制作も楽しいです。

ちいさな細工物を作る喜びはまた別ですね。

小箱やツマミ(引き手)以外にも

何か新しいバリエーションを探してみようと思います。

格子窓の風景 送らなかった便り 12月11日

 

イタリアに住んでいた頃はコンピューターを持っておらず

日本の友人には手紙や葉書を書いていました。

友人を思い浮かべながら 一枚一枚ペンで書く便りは

PCメールより気持ちが篭もっていたようです。

また日本から届く手紙も 海を渡って来たかと思うと

ひときわとても貴重で大切な物に思えました。

当時の手紙はすべて大切にしまってありますが

まだ読み返す気持ちにはなっていません。

おそらく・・・お婆さんになった頃に 穏やかな気持ちで

なつかしく切なく読み返し 思い出に浸ることができるでしょう。

 

先日どこから迷い込んだのか 引出しの中から

フィレンツェで買って結局出さなかった葉書が出てきました。

パラッツォ・ベッキオの格子窓からドゥオーモを見た風景葉書。

今はもう存在しない通貨「リラ」の切手800リラが貼ってあります。

ジャズフェスティバルの記念切手のようです。

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でも 良く見ると端に画鋲の跡が。

切手も貼って準備したけれど この写真が気に入って

結局使わずに部屋に飾った記憶が蘇ってきました。

何を書いて誰に送ろうと思っていたのか・・・。

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今でもこの葉書の写真をみると

フィレンツェでの良い思い出も辛い記憶も

さまざま思い出されるようです。

装飾辞典2種 12月10日

 

額縁のデザインを考える時 それまでに貯めてきた

イメージをぱっと生かすことが出来るときもありますが

このようなデザインの本を参考に考えることもあります。

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左の「装飾スタイル辞典」には古代エジプトやギリシアから始まり

最後は1800年代のデザインまで 年代別の古典スタイルを紹介しています。

右の「装飾デザイン辞典」では幾何学模様の展開から

建築 服飾 インテリア 印刷字体などのカテゴリーで様々な

古典デザインを見ることが出来ます。

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上の写真は「装飾デザイン辞典」のフレームページ。

フレーム(枠)と言っても窓枠から額縁 印刷物まで幅広く載っています。

たまに目的も無くぱらぱらと眺めるだけでも楽しい本2冊です。

データ : 「装飾スタイル辞典」

著者 アレクサンダー・シュペルツ 毛利登翻訳

株式会社 東京美術

2001年7月20日 第1刷発行

「装飾デザイン辞典」

著者 フランツ・S・マイヤー 毛利登翻訳

株式会社 東京美術

2000年 2月20日 第1刷発行

「works」の額縁 kokutan 12月09日

 

わたしがKANESEIとして活動を始めた

当初からご存知の方には

「懐かしい額縁を出してきたな」と思われるでしょう。

今日ご覧いただいている額縁は かれこれ

10年近く前に作った「KANESEI初期製品」のひとつです。

黒檀とチークの寄木で内寸(入る作品のサイズ)は

ほぼ葉書サイズで 額縁全体サイズはA4程度でしょうか。

この額縁はなかなかご好評をいただいて数作っています。

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上の写真にはウィーンの風景画絵葉書を入れています。

ここでは縦置きですが 横でも使えるデザインです。

もっとシャープな絵やモノクロの写真でも良いかもしれません。

 

* 本日「works」ページ内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

塩チョコレートケーキ 12月08日

 

アイルランドの田舎町のパン屋さんでは

ちょっとしたケーキ類も売られていました。

ちかくで収穫した材料を使ったような素朴な雰囲気でした。

アイルランドのケーキで一番に思い出すのは

チョコレートケーキです。

どれも一切れがとても大きくて 2人分くらいありそうでした。

そしてなぜか塩味が効いているのです。

ケーキなので勿論甘いのですが 不思議な味。

塩キャラメルはありますが塩チョコレートケーキもあるのでした。

世界は広いのです。

(わたしが知らないだけでしょうかね・・・。)

下の写真にあるイチゴがのったケーキは食べ損ねましたが

塩味が効いていたかもしれません。

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その世界を完成させるために 12月07日

 

油絵でも版画でも写真でも・・・

作家が自分の作品を納め保存・鑑賞するために

額縁を自作することがあります。

自分でイメージ通りの額縁を作ることが出来れば

その世界観を完成させるのに一番近い方法です。

 

以前 箱根にあるポーラ美術館を訪ねた時に

藤田嗣治の「姉妹」という作品を観ることが出来ました。

この絵には藤田自作の額縁が付けられています。

読んだ本によると 先に額縁を作り後から絵が描かれたとのこと。

「姉妹」の絵がこの額縁からインスピレーションを受けて

描かれたかは解りませんが とにかく額縁と作品の一体感が

完璧に感じられ 圧倒されたことを思い出します。

額縁を作るわたしにとって あの完成された世界は

嫉妬の対象にさえならないような別世界でした。

 

 でも・・・作家本人ではなく他人である額縁職人が作ることによって

違う感覚で新しく提案できる額縁があるのでは・・・?

自問しつつ今日も額縁を作ります。

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データ : 「藤田嗣治 手しごとの家」

       著者 林 洋子 

       (株)集英社 集英社新書ヴィジュアル版

       2009年11月22日 第1刷発行

額縁の本 「額装の話」 12月06日

 

岡村多聞堂といえば知る人ぞ知る額縁の老舗であり

取り扱う作家の名前に その歴史と格が現れている額縁店です。

この岡村多聞堂のご主人(おそらく先代)が書かれた

「額装の話」という本は古書店で偶然手に取るまで知りませんでした。

自費500部限定出版だったようなので珍しい本なのかと思いきや

ネットで検索すると価格もマチマチに 色々な古書店が扱っているようです。

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梅原龍三郎の序文から始まり 床の間や絵馬についてなど

日本特有の建築や文化に及んで とても面白い解説がされています。

床の間の章の最後に 「床の間はそのまま書画の額縁として

長い歴史を歩んだことに思い到るのであります」とありますが

確かに床の間は空間そのものが 作品を周囲と調和させるための

「額縁」の役割を果たしているのだと 気付きました。

最近 わたしは「日本文化における額縁のあり方」について

色々と考え学ぶ機会を多く得ているのですが

この本もその機会のひとつとなりました。

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データ : 「額装の話」

       著者 多聞堂 岡村辰雄

       岡村多聞堂 自家500部限定版

       昭和30年4月30日 発行

村上春樹がN.Yへ行くなら… 12月05日

 

先日 村上春樹氏がエッセイで 「タイムマシンがあったら

昔のN.Yへ行ってジャズライブを聴きたい」と書いていました。

村上春樹氏がジャズファンというのは とても有名ですね。

「もしタイムマシンがあったら」は 実はわたしも以前から

ひとりで空想していたことでもありました。

家族や大切な知人に会う目的以外だったら いつのどこへ?

わたしなら ルネサンス時代のフィレンツェへ行って

フラ・アンジェリコに会いたいと思っています。

彼の工房(おそらく僧院内なので難しいでしょうけれども)で

作品制作の様子を見て 教えを請うことができたなら・・・。

どんな道具を使って どんな手つきと視線で描いているのか。

どのような気持ちで日々制作しているのか。

制作と宗教画に対する姿勢や考えをぜひ聞かせて欲しいと思います。

あのような美しい(浮世離れしたような)絵を描き続けた

アンジェリコの人柄に触れてみたい。どんな人だったのだろう。

550年も昔の人ですが なんとか会話も成り立つのではないか とか

フィレンツェなら550年経っても大して街並みの変化は無いから

道に迷うこともあるまい・・・などと つい具体的に考えてしまいます。

皆さんなら いつの時代のどこへ行きたいと思われるでしょうか。

 

下の写真は 旅先の遺跡で撮りました。

この門をくぐると 望みの時代の場所へ・・・なんて

ハリウッド映画の一場面のようですね。

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「works」の額縁 Bへの感謝を込めて 12月04日

 

このチークの額縁は写真を入れるために作りました。

海外に住む人へ感謝の気持ちをこめてのプレゼントです。

今も写真を入れて飾ってくれていると嬉しいのですが。

 

このデザインの額縁はイタリアから帰国して数年した頃に

はじめて作りはじめたものです。

大きいサイズから小さいサイズまで試しましたが

最終的に このA4程度のサイズに落ち着きました。

同じデザインでも大きい方が納まりが良いデザイン

小さい方がキラリと光るデザインなどそれぞれです。

鏡を入れてインテリアとしてもいかがでしょうか?

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* 本日「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

小さい小さい絵 12月03日

 

毎年12月 デパートの小さな画廊で開かれる「小さい小さい絵」展という

展覧会(即売会でもある)に参加しています。

参加し始めて今年でちょうど10年になりました。

わたしが出品しているのは 先日もご覧いただいたような

(http://www.kanesei.net/2009/11/18)

黄金背景のテンペラ画。すべて模写です。

今年は フラ・アンジェリコの聖女像 ゴッツォリの天使と

フォルリの天使 そしてルドゥーテのバラをふたつ。

どれも原画はあまりに素晴らしく そして有名なものばかりです。

額縁制作が本業のわたしですが 自分で描いたテンペラに

自分で額縁を作るのは 自分だけの世界に閉じ篭って

すべてを自由にできる貴重な作業でもあり

色々な意味で良い経験になっていると思っています。

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旅人に贈る言葉 12月02日

 

アイルランドののどかな島で逢った白馬は

とても穏やかな顔をして ご主人の帰りを待っていました。

たてがみが海風にあおられて気持ち良さそうに揺れています。

すこし傾いた馬車の後ろにはアイルランドで今も使われる古い言葉

ゲール語でなにか書かれています。

御者さんの姿が無いので尋ねることもできませんでした。

旅人に贈る言葉・・・でしょうか。

神様にささげる感謝のお祈りの一節かもしれません。

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落ち葉の中で 12月01日

 

11月最後の日曜日に 砧公園にある世田谷美術館へ行きました。

「オルセー美術館展」の最終日の午後でしたが

恐れていたほど混んでもおらず 気持ちよく鑑賞しました。

アールヌーボー作品は曲線で優雅でもあり妖しさもあるデザイン。

「妖しい美しさ」をいつかわたしの額縁にも表現してみたいと思いつつ・・・

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帰り道の公園内を歩いていると ボールで遊ぶ家族連れや運動に来た人達など

晩秋の休日を楽しむ平和な風景がひろがっていました。

ケヤキやイチョウの葉が歩道に次から次へと降り注いでおり

サクサク踏んで歩く気持ち良さ。童心に返ります。

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そしてふと見ると・・・うさぎが木の陰からぴょこんと出てきました。

ピーターラビットの絵本から抜け出てきたのかと思いきや

飼い主さんとお散歩中なのでした。

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落ち葉の積もる森でひとり遊ぶうさぎ。

なんとも可愛らしい一場面でした。