diario
野生板栗好吃不上火 11月30日
比較的暖かだった秋も終り 12月になればいよいよ冬。
今年も残すところ1ヶ月とは 時間の過ぎる早さにおののきます。
この秋の味覚は楽しまれましたでしょうか?
先日 お土産で本場中国からの天津甘栗が届きました。
日本で売られている天津甘栗と同じように
小粒で手でむけるような とても甘く美味しい栗です。
最近は剥き身の甘栗も売られていますが
1粒1粒を手でむいて食べるのも楽しくて好きです。
沢山入った紙袋には「野生板栗」の文字が。
筆書きのような文字も中国らしいデザインに見えます。
「野生」は解るにしても 「板栗」とは??
中国では手でむける小粒の栗を板栗と呼ぶのでしょうか。謎です。
そして「好吃不上火!」の意味は・・・?
勝手な想像で「もう火を通してあるから炒る必要なし!」かな
と思っていますが 本当のところはどうなのでしょうね。
なんだか意味がとても気になってきました。
来世の恋人 11月29日
スペインでも相変わらず観光馬車をよく見かけました。
この日出会った黒い馬は とてもスペインらしく
いにしえのアラブ種が混じったような様子で
(実際の血統ははわかりませんけれど・・・)
それはそれはハンサムでした。
白馬は王子様が乗るイメージで優雅ですが
黒い馬はもっと凛々しく気品がある騎士のイメージ。
黒い肌に銀色に輝く馬具がセクシーに映えます。
長い前髪(鬣)と額を飾っているタッセルもお洒落です。
世が世なら彼(この黒馬)は観光馬車を引く馬ではなくて
騎士を乗せて草原を駆け抜けていたかもしれません。
いつか馬に生まれ変るなら こんな恋人が欲しい。
ただいま制作中・・・ 11月28日
先日(11月18日)ご覧いただいたテンペラ画は
5点完成しましたので それらに付ける額縁を作っています。
下の写真はその制作途中の様子。
手前の3点は木地のまま ワックスを使って
アンティーク仕上げにしました。
奥に見えている白い額縁2点は石膏を塗って乾いたところです。
昨日の作業で石膏地を磨き終えたので 今日はこれから
金箔を貼って これまたアンティーク仕上げにする予定です。
今回のようにそれぞれデザインを少しずつ変えての制作は 楽しくて飽きません。
いくつもの同じデザインの額縁を同時進行で作っていくのは
流れ作業のような機械的仕事になって あまり得意ではありません。
完成した「額縁の群」からは 無表情で行列をしたような雰囲気
そこはかとなく「やっつけ仕事」的なニオイが漂うことがあるからです。
つまりそれは わたしに「やっつけ仕事でやってしまった」自覚があるという訳で
わたしのキャパシティの狭さの表れなのですが・・・。
現実的に 同時進行でいくつも作らなければならない状況が普通でもあります。
KANESEIの名前で作る額縁ひとつひとつに真心をこめて 誠心誠意作ること
その基本中の基本を改めて意識する良い機会となっているようです。
フランスと日本の狭間 11月27日
フランス大使館旧館にて今月28日から始まるイベント
バンタンデザイン研究所主宰「Voila` Vandan!」に一足早く行きました。
このイベントは来年1月に取り壊しが決まった旧館を目一杯使って
絵画 インスタレーション モード デザインと様々な
美術を紹介・展示しています。
25日の夜はオープニングイベントでもあり 盛況で大賑わい。
マスコミ等で有名な方々のお顔もちらほら見受けます。
参加している作家の熱意に会場を訪れる人々の熱気が加わって
とても生き生きとした展示会場の空気を感じました。
広尾に行かれる方は 少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
ここは日本だけど日本ではないような不思議な感覚
そしてイタリアで感じていた「大勢の外国人の中にいる孤独感」
のような懐かしい気持ちも少しだけ思い出した夜でした。
ヴォアラ バンタン http://voila.vantan.com/pc/index.html
白のコーディネイトで 11月26日
ヨーロッパの街では観光用の馬車をよくみかけます。
たいてい1頭立ての小さな馬車で 景色を楽しみつつ
御者さんの解説を聞きつつ のんびりした観光です。
今日の写真は立派で大きな馬車を引いていた2頭。
中欧の観光都市で ゆったりと休憩していた白馬たちです。
その街の雰囲気や人々のお人柄が動物にも反映されているような感じ。
兄弟でしょうか 白い毛並みが良く手入れされ大切に扱われている様子です。
実用も兼ねたおそろいの白い頭巾を被っていました。
こうした頭巾など 馬車の馬達は実はとてもお洒落で見栄えも大切。
あまり目立たないけれど馬車ごとに個性あるファッション(?)をしているのです。
馬車に乗らずとも 通りがかりにそれぞれの馬ファッションを見たり
この頭巾は御者さんの奥さん手作りかしら なんて思ったり
街それぞれの流行を探して発見する楽しみ方もありました。
夏の日差しの名残 11月25日
夏の終りに訪ねた信州から りんごが沢山届きました。
ドライブで寄ったヨーロッパのようなりんご園を思い出します。
青空にすでに赤くなり始めたりんごが映えてまぶしいような風景でした。
このりんごも あの日差しを浴びて大きくなったのだと思うと
可愛くて食べてしまうのが勿体無いようです。
秋も深まって雨が続くと灰色の風景で寂しくなりますが
夏の日差しの名残をとどめたような美しいりんごを見ると
さぁまた頑張ろう という意欲が沸きます。
1日1個のりんごは病気知らず。
毎日楽しみにいただきます。
サンタクロースの写真を入れて 11月24日
成城学園前にあるアンティークショップ「attic」は
以前こちらのブログでもご紹介しましたが
http://www.kanesei.net/2009/08/16.html
KANESEIの小さなカードサイズの額縁を置いていただいています。
このatticさんへ また新しいKANESEIの額縁をお届けしました。
先日11月15日のお話「着せ替え遊び」でご覧いただいた金の額縁です。
このデザインは いままで何度も作る機会をいただいた「frido」という
額縁ですが 今回はクリスマスも近いこともあり
金箔を使って暖かみがある色に仕上げてみました。
天使の絵やサンタクロースの写真(?)などを入れて
クリスマスデコレーションに どうぞ加えてください。
成城学園前の「attic」にてご覧いただけます。
(1点ずつの制作ですので 売り切れの場合はどうぞご容赦ください。)
* 本日「works」内「classical」に こちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
もうすぐ白い息でおでん屋台へ 11月23日
だんだんと冬の足音がすぐ近くまで来たようです。
美味しそうな出汁の香りにフラフラと近づくと
開店したばかりの おでんの屋台でした。
それにしても昆布が沢山です。
おでんの具の昆布が大好きなわたしには素晴らしい光景。
すかさず「昆布3つと大根とはんぺん!」と注文したのですが
「昆布はまだ出汁が出て無いからダメ。」とあっけなく断られてしまいました。
残念。
でも大根やはんぺんにはしっかり出汁が効いていて美味しかったです。
もっと寒くなった冬に息を白くして フーフー外で食べるおでんは最高!
黄金背景卵黄テンペラ 11月22日
先日11月18日にお話したテンペラ画について・・・
わたしが描いているテンペラ画は 卵黄テンペラといい
顔料(絵の具の元の粉)を防腐剤を入れた卵黄で溶いています。
油絵の具の乾性油 水彩絵の具のアラビアガム
テンペラではそれらの代わりが卵黄です。
(全卵や卵黄に樹脂 油を入れるテンペラ技法もあります。)
この技法は中世ヨーロッパで主に使われており
油絵の登場で衰退しましたが 現在もテンペラで制作する作家がいます。
わたしは大学時代に卵黄テンペラに出会いました。
そして古典技法額縁制作へ繋がっています。
というのも 木地にボローニャ石膏を塗り金箔を施し磨くという工程は
(わたしのテンペラの場合 この石膏の上に描いています。)
テンペラも古典技法額縁も材料ふくめ同じだからです。
思えば わたしの額縁への道は大学時代に出会ったテンペラが
大きなきっかけのひとつでした。
大学でテンペラ画を描いている頃は まさかこの技法が
卒業後の人生を変え 共に歩んでいくとは思っておらず・・・。
大きなきっかけや変化というのは その後に振り返ったとき
ようやく気づくものなのですね。
上の写真の本は 数あるテンペラ画技法書のなかで
いちばん分りやすく丁寧だと思っている本です。
特にニスの研究と紹介のページはとても興味深いので
油彩画制作をなさっている方にも読んでいただきたい一冊です。
データ : 「黄金テンペラ技法 イタリア古典絵画の研究と制作」
著者 紀伊利臣
誠文堂新光社
2006年9月1日 第1刷発行
格子窓の風景 それぞれの人生 11月21日
近代的なビルが並ぶベルリンの街角にとつぜん
ひっそりと忘れられたような古いマンションがありました。
外壁は傷んで ところどころ苔が生えているような状態。
窓枠のペンキは白だったり茶色 緑とどれも色が違います。
良く見ると窓上壁面の装飾もルネッサンス風で変化があったり。
全ての部屋の格子窓から生活観が感じられました。
それぞれ職業も年齢も 考え方も違う人達が暮らす・・・
この窓一つ一つに住人の個性と人生が見えるようです。
彼らはいま 幸せを感じて生きているか?
「人生とはこんなもの」と思いつつも努力している?
今年はベルリンの壁が無くなってから20年目に当ります。
このマンションはドイツが分断される前から建っていて
ベルリンで起こった沢山の歴史 人々の喜怒哀楽を見てきたのでしょう。
ロシュフォールの恋人たち 11月20日
普段の額縁製作の作業は 作業部屋でいつも一人です。
ラジオかCDか・・・とにかく何か音楽を聴きながらの作業。
「人の気配」を感じられるのでラジオは寂しく感じませんが
最近はCDを聴いていることの方が多くなっています。
クラシックだったりロックやジャズ たまにポップスも聴きますが
ここ最近一番好きで 作業中に限らず移動中でも登場しているのが
「ロシュフォールの恋人たち」という映画のサントラです。
この映画をご存知でしょうか。1967年と古い映画ではありますが
衣装もセリフも舞台も・・・何もかもがお洒落で色使いが綺麗です。
特に女性が好みそうな映画ではありますが・・・
ミュージカル映画なのでジャズベースの音楽は最高です。
テレビコマーシャルなどで今も耳にする曲があり 古さを感じません。
出演者もドヌーヴ&ドルレアック姉妹が主役のほか
ジーン・ケリー ジョージ・チャキリスと大変豪華です。
今月はケーブルテレビでの放送もあるようなので
お時間が合えば ぜひご覧下さい。
とても明るく楽しい気分になれること請け合いです。
シネフィル・イマジカ 11月24日 10時より放送
http://cinefilimagica.com/movie/m5/095155.html
一目惚れの・・・ 11月19日
出かけた先で たまたま入った島根県のアンテナショップ。
アンティークの器ではなく新しい器で とても久しぶりに
飛び上がるほどの一目ぼれをしました。
出西(しゅっせい)窯という普段使いの器を作る窯元の作品です。
わたしは昨日初めて知った窯ですが とても有名なのですね。
昨日一目ぼれしてイソイソと買い求めたマグカップは
ぱっと見た印象が1900年代前半の雰囲気があるような
和洋折衷な・・・西洋の香りがする繊細な形が印象的です。
出西窯は民藝運動に影響を受けた人達によって作られたそうなので
このカップは確かに彼らの意思を引き継いでいるように感じます。
口当たりが良くて安定感もある 実用的かつ美しいカップ。
一目ぼれで始まった恋は長続きしない・・・なんて言われますが
わたしとこのカップは長く長くお付き合いしていきたいと思います。
模写を通して見えてくるもの 11月18日
毎年晩秋になると 額縁製作と平行してテンペラ画を描いています。
敬愛するルネッサンス時代の画家たちの作品を小さく模写して
12月に開かれる展覧会(即売会でもある)に出品するためです。
「模写を繰り返しても 描写の技術は上がらない」と言う考え方もあれば
「模写は絵画技法習得の全ての基本だから必要」と考える人もいる・・・
どちらが正しいか分りません。正解は無いのかもしれません。
でもこうして巨匠達の作品を当時の技法で模写し 追体験することによって
絵画作品を理解し 自分なりの考えを持って鑑賞できる
大きな手助けのひとつになっているようです。
樹には木を 11月17日
骨董市ではありとあらゆる物が販売されていますが
版画や絵画などさまざまな美術作品もあります。
この版画も骨董市で一目ぼれして購入した作品です。
買ったときには「とりあえず」という感じで
アルミ製の寂しげな額縁が付いていましたので
後日わたしの好みで新しい額縁を作りました。
作品モチーフが樹ですので 額縁もシンプルに木地のものを。
KANESEIの額縁らしく(?)アンティーク仕上げにしました。
イギリスの古い家具のイメージで(わたしの勝手なイメージですが)
傷を作りワックスで半艶消しにして 汚しを入れています。
どこにでもあるようなデザインの木地ですが
作品との相性は良く仕上がったと思っています。
フィレンツェのマエストロたち 11月16日
職人を訪ねる本をご紹介するのは これで3冊目になりました。
わたしが知らないだけで きっとまだ沢山の本があるのでしょう。
ヨーロッパの職人の考え方生き方に興味を持つ方が
それだけ多いと言うことの表れですね。
今日ご紹介する「フィレンツェの職人(マエストロ)たち」では
それぞれの職人の様子を紹介しながらも
フィレンツェの街で暮らす「職人」の歴史と現状も書かれています。
第2次大戦後や1966年の大洪水によって職人工房のあり方も変わったとか。
また職人は決して儲かる仕事ではなく 後継者を探すのも一苦労・・・
というのは日本でもよく耳にすることです。
それでもやはり職人仕事には独特の魅力があり
また地道にコツコツと作業を進める仕事の様子は
人が行う「仕事」としての原点を見るように思います。
わたしも「額縁職人」として 地に足を着け生きて行きたい。
データ : 「フィレンツェの職人(マエストロ)たち」
著者 朽見行雄
JTB日本交通公社出版事業局
1993年12月1日 第1刷発行
着せ替え遊び 11月15日
幼い頃に着せ替え人形で遊んだ記憶をお持ちの女性は
おそらく沢山いらっしゃると思います。
大人になった今からも 額縁で着せ替え遊びをしませんか?
葉書サイズの額縁があれば入れ替え(着せ替え)もすぐです。
展覧会で買った美しい絵葉書 旅先から届いた思い出の葉書を
気分や季節で入れ替えて身近な場所に飾って楽しみましょう。
ひとつの額縁も 中に入る作品によって雰囲気が変化します。
上の写真にはそれぞれ以下の絵葉書を入れています。
ジョン・エヴァレット・ミレー 「オフィーリア」
脇田 和 「窓」
額縁の本 「FRAME WORKS」 11月14日
この本をどこの街で購入したか・・・すでに記憶が定かではありません。
どこかヨーロッパの美術館付属の書店だったと思います。
英語で書かれており おもに肖像画の為の額縁が取り上げられています。
西洋の肖像画の歴史の深さにも驚かされました。
日本の一般家庭では 肖像画を居間など団欒の部屋に飾って
それを日々楽しむ習慣はありませんので これもまた文化の違いです。
ルネサンス時代の額から始まり 最終章では20世紀の額縁まで。
それぞれの時代と地域別に整理されており
額縁だけでなく 中に納められている作品も一緒に写真で見る事が出来ます。
下の写真は巻末の掲載作品でダリのカップルの肖像だそうですが
絵画は風景(ダリの心象風景でしょうか)で額縁が人物の形。
この作品を「肖像画」としているのがダリらしいですね。
それにしても額縁職人さんは一体どんな気持ちと解釈で
この額縁を作ったのか・・・制作秘話など聞いてみたいものです。
データ : 「Frameworks
Form, Function & Ornament in European Portrait Frames 」
ポール・ミッチェル リン・ロバーツ 著
(Paul Mitcell & Lynn Roberts)
Merrell Holberton社
1996年出版
何も無い けれど・・・ 11月13日
アジアとヨーロッパの境は人種も歴史も文化も
何もかもが混ざり合い 重なり合って
その重みは旅行者にも強く感じられます。
そんな辺りで見かけた風景にある遺跡。
今はもう何も無い・・・
けれど この遺跡は
キリストの12人弟子のうち 誰かが来た事のある
かつては大きな街だった証です。
黄金比と白銀比 11月12日
ご注文をいただいて額縁を制作する場合は
当然ながら作品に合わせたサイズで制作しますので
あまり意識することはありませんが
自分の創作としての額縁を作るとき サイズは自由です。
思いつくままのバランスで作った額縁は
わたしの場合 どうやら黄金比ではなく白銀比に近くなるようです。
もしくは 白銀比より更にもうすこし正方形に近いような長方形。
これはもう好みとしか言いようがありません。
黄金比では どうも縦横の長さに差がありすぎるような気がして
(もちろん場合によりますけれど)
黄金比より正方形に近い白銀比を無意識に選んでいます。
黄金比は西洋で好まれ 大人びた雰囲気
白銀比は日本古来独自の比率で可愛らしい雰囲気だとか。
法隆寺など寺院建築の比率にも用いられているそうです。
大人びているか可愛らしいか・・・その見解は別としても
黄金比より白銀比のほうを より安定して自然だと感じるわたしは
やはり日本で生まれ育った人間なのだ と改めて思いました。
皆さんはどちらをお好みでしょうか。
自然界には黄金比を展開した式に則った図形が多いそうです。
松ぼっくりのらせん構造も黄金比から。ふしぎですね。
フォークロア風アンピール 11月11日
19世紀前半に流行したスタイルにアンピール様式があります。
アンピール…フランス語で帝国を意味し 帝政様式とも言います。
ナポレオン・ボナパルトが活躍した時代のスタイルで
パリの凱旋門がこのアンピール様式の建築として有名です。
今日ご覧いただいている額縁にもアンピール様式の模様を入れました。
黒地にアイボリーで模様を描き 強めのアンティーク仕上げです。
内側の直線と側面には銀箔を使っています。
2005年に作った額縁ですが 今にしてみれば
もう少し大きいサイズで作っても良かったかと思っています。
アンピール様式は直線的で装飾もシャープな印象のスタイルです。
この額縁は模様だけはアンピール様式ですが
こうして見てみると中欧やロシアの民芸品のような雰囲気・・・
はからずもフォークロア風になったようです。
* 本日「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧ください。
船に揺られて その3 11月10日
水の都で船に揺られてシリーズ最終回は
ヴェネチアでは無くてはならない乗り物 ゴンドラです。
観光で訪れたら なにはさておきゴンドラに一度は乗ってください。
大運河カナル・グランデから細く迷路のような水路を縦横無尽に
ひっそりと音も無く進むゴンドラに乗るのは
ほかのどこの街でも体験できない情緒です。
以前こちらのブログhttp://www.kanesei.net/2009/07/08.htmlで
お話した「見上げながらの散歩」のように
ゴンドラでも上を見上げてみることをお勧めします。
ルネサンス時代から変わらない建物に挟まれた薄暗い水路で
水音と櫂の漕ぐ音の反響を聞きながら
いにしえの時代に思いを馳せるのです。
船に揺られて その2 11月09日
ヴェネチアの交通手段でひきつづき。
大急ぎのとき なおかつお金に余裕があるときには
水上タクシーという手段もあります。
ゆっくり進むヴァポレットや 観光客を乗せたゴンドラを尻目に
モーターボートの快調なスピードで進むのは爽やかです。
何世紀も昔からかわらない建物の間を駆け抜けると
まるでモーターボートが密封されたカプセルになって
自分だけ時間の進み方が高速になったような感覚になりました。
船に揺られて その1 11月08日
水の都ヴェネチアを観光するには 歩くのが一番ですが
ちょっとした移動には水上バスを使います。
vaporetto 「ヴァポレット」と呼ばれており
市民にも観光客にも大変便利な移動手段です。
船ならではのゆったりとした気分も味わえて
移動目的だけではなく 大運河の眺めを楽しめます。
朝早い時間に乗った時 まだ静かな運河の上には
霧がうっすら立ち込めており その両側に浮かび上がる
ヴェネチア特有のゴシック調の邸宅は
朝日を受けてピンク色の靄に包まれていました。
あの美しさは忘れられません。
モダン試行錯誤 11月07日
「works」ページ内の「other」では
額縁以外の小物などを載せておりますが
そのページをご覧くださった方が お手持ちの小引き出し用にと
ツマミを5つご注文くださいました。
ご依頼主はとてもモダンな雰囲気の方で いつも素敵なファッションです。
ツマミのデザインも「モダンな感じで赤色 デザインお任せ」とのことでした。
自覚しているのですが・・・どうもKANESEIが作る「modern」は
わたしはモダンなつもりでも 「モダンデザイン」とは呼べないような
「???」なデザインが多くなっております。
今回のご注文でもモダンデザインについていろいろと考えた結果
「直線的で抽象的な模様にするべし」で制作いたしました。
(勉強不足で安易過ぎというお叱りが聞こえてくるようです・・・。)
5つそれぞれ少しずつ違うデザインになっています。
色は下地に黒を塗り その上に赤を塗ったので
漆の根来塗りのような雰囲気にもなりました。
ご注文くださったお客様にはお気に召して頂けた様子で
今回はなんとか合格点をクリアできたようです。
わたしの「モダンへの挑戦・感覚習得」の道はまだまだ続きます。
* 本日「works」ページ内「other」にこちらのツマミをアップいたしました。
どうぞご覧ください。
Bagels baked just for you! 11月06日
みなさんには今も親しい幼馴染のお友達がおられるでしょうか。
思えば幼馴染とは不思議な仲間ですね。
大人になってから得た友はいわば「自分で選択した結果」の
友情とも言えると思いますが 幼馴染は選択の余地無く
住まいが近所だったり親同士が友人だったり・・・
という外的理由や偶然が元で始まった(?)友情です。
その友情が大人になってもずっと続いているのは
しあわせなことだと思っています。
わたしの人生初の友・・・幼馴染が経営するベーグル店があります。
焼き上がりのタイミングやお昼前など 小さなお店の前まで
行列が溢れている様子を見ると自分のことのように
嬉しく誇らしい気分になります。
「親ばか」ならぬ「幼馴染ばか」といった感じでしょうか。
今の時期のお勧めは「いちじく」です。おいしいですよ。
ちかくにお越しのことがあれば どうぞお立ち寄り下さい。
京王線 上北沢駅南口からすぐです。
ケポベーグルズ http://www.kepobagels.com/
中世騎士物語 11月05日
西洋の時代劇映画や小説がとても好きです。
お姫様と王子様の夢物語では無くて(それも好きですが)
中世の孤独な騎士の物語など とくに飛びついてしまいます。
この児童書3冊も内容はもちろんのこと 装丁と挿絵に惹かれました。
左から「アーサー王物語」「十字軍の騎士」「クオ・ヴァディス」
(「クオ・ヴァディス」は騎士物語ではありません・・・)
淡いベースと指し色の組み合わせや劇画調の絵 紙質の手触りなど
今現在出版されている児童書とは一味違う美しさがあります。
中央の「十字軍の騎士」は昭和29年(1954年)発行ですから
すでに半世紀以上昔の本です。
戦後10年と少しの頃と言えば まだまだ戦争の痛みが
残り続けている時期の出版です。
そしてこの頃の200円はとても高価な児童書だったはず。
当時の小中学生はどんな思いでこれら「西洋騎士物語」を
読んでいたのでしょうか。
とても大切にしていたからこそ 今も美しい状態で
わたしの手元に届いているのだと思うと感慨深い思いです。
データ : 「十字軍の騎士」
著者 玉木 五郎
株式会社 大日本雄弁会講談社
昭和29年4月20日 第一版発行
定価 200円
悲しいサーカスの配色 11月04日
先日 引き出し用ツマミのご注文をいただきました。
無事に完成したので 予備に準備していたツマミも
思いつくままに作り完成させてみました。
ご注文で作ったツマミは後日あらためてご覧いただこうと思います。
いわば「遊び」で作り始めたものなので
デザインや色もその場の思いつきのまま 気分のままです。
今回はグアッシュでグレーと赤に彩色することにしました。
色を塗り古色を出したら 古めかしいサーカスを思い起こさせるような
雰囲気になりました。(わたしのイメージする「サーカス」ですが。)
馬車に引かれて町から町へ移動するサーカス団です。
演技も曲芸も古臭く 少し物悲しい雰囲気のサーカス団の
テントの色やピエロの衣装の色 熊の玉乗り曲芸のボール
歳をとった象とその象をとても大切にしている象使い
そんな色の組み合わせが浮かびました。
* 本日「works 」ページ内「other」にこのツマミをアップいたしました。
ご注文に応じて製作もいたします。どうぞご覧下さい。
お尻を噛まれないように 11月03日
スペインのグラナダを散歩していた時に見かけた
「犬に注意」のプレートです。
cuidado con ~ ・・・~に注意
el perro ・・・犬
大きなお屋敷だったので おそらく立派な番犬がいるのでしょう。
犬にお尻を噛まれるイラストが なんともひょうきんです。
イタリア語とスペイン語は同じくラテン語から派生した言語ですが
イタリア語で犬は「cane」 スペイン語の「perro」とは
まったく違う単語になっていて面白いです。
となりのプレートは表札でしょうか。
カルメンさんとはスペインらしいお名前!
理想の家 11月02日
洋書店に置いてあるようなヨーロッパやアメリカの
インテリアを紹介した本を眺めるのが好きです。
もちろん額縁のデザインや家具との相性を考える
参考にもなりますが 単純に美しいインテリアや
庭の様子を見るのも楽しいものです。
椅子とカーペットの色の組み合わせやちょっとした配置など
感心しながら そのお宅に遊びに行ったような気分になります。
一つのテイストで全てが完成されている家には
あまり生活感が無くて 写真で観るには良いけれど
本当は住んで寝食を過すのが大変そう・・・とか
こんな広い浴室にある猫足のバスタブに入ってみたいと思ったり。
いろいろと想像を巡らせつつ眺めています。
カフェで見上げて 11月01日
ヨーロッパの旅先で歩き疲れて入ったカフェ。
街中の目立たない小さなカフェでしたが 見上げたら
思いがけず美しい天井に出会いました。
シンプルな金の格子とアカンサスの装飾の付いたランプ。
このランプも明るさの為というより雰囲気作りの為といった感じです。
白いプラスティックのような天井板も不思議な趣を作ります。
店のインテリアはこれと言って特徴があるわけでも
気どっているわけでもないのですが・・・
ヨーロッパには特有の乾燥した空気や光の加減による
陰影が作り出す独特の雰囲気があります。