diario
古典技法額縁の作り方 7 8月15日
さて 装飾と彩色もおわったら仕上げです。
今日はアンティーク仕上げにする方法をご紹介します。
KANESEIのアンティーク仕上げ方法(「古色出し」とも言われています)は
フィレンツェでの額縁修行時代に師匠マッシモ氏から
教えていただいた方法と材料をベースにしています。
日本では手に入らない材料もありますが代用品を探しました。
古色出しの方法はそれこそ工房それぞれ違うはずです。
”十人十色”ならぬ”10工房10色”ですので参考程度にお考え下さい。
まず角や凸部分を木槌などでたたいて傷をつけます。
特に角は強くたたくのではなく小さく何度もたたくと良い「味」が出ます。
石膏が欠けて木地が見えてもそれもまた「味」になります。
スチールタワシで擦って金箔下地のトノコ色を出したり
ベースの彩色部分も下地に補色を塗った場合は同様に下地を出します。
その上に茶色のワックスを塗ります。
ワックスはカルナバワックスをベースに作りますがレシピは秘密・・・。
アンティーク仕上げの最終段階に「ほこり」をまぶします。
もちろん本物の埃ではなく 粉を調合して作った「偽ほこり」です。
上の写真はその「偽ほこり」をまぶした状態です。
ワックスが完全に乾く直前にこの「ほこり」をまぶして磨きこむと
装飾の凹部分に密着して いかにも”ちょっと汚れた古い雰囲気”に。
その他カッターなどの刃で亀裂を作ったり 細いドリルで虫食い穴を作ったり
それぞれのお好みで加工します。
できたてで初々しい額縁もあっという間にお婆さん(?)に変身です。
磨いたばかりの金は生々しくて光沢が強すぎる場合がありますが
アンティーク風加工をすることで落ち着きと調和が出るようです。
裏の処理をしてガラスや裏板の準備 金具の取り付けが済めば完成です。