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泣く子 8月31日

 

教会のかたすみにいた小さな彫像です。

イエス様の死を悼んで泣いている その表情が

あまりにも愛らしくて写真に納めました。

えくぼのある手 ふわふわの足やあご

子ども特有の柔らかさが手に取るように感じられました。

石でできているというのに。

 

おそらくバロック時代に誕生してから数百年も

この子は泣き続けているのです。

かわいそうに。

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二十歳の思い出  誕生日に寄せて 8月30日

 

古いフィレンツェのハガキです。

裏面に1930年とありますので 80年近く昔の様子。

ウフィツィ美術館前からポンテ・ヴェッキオに通じる川沿いの道です。

写真に写っているお店はジュエリーか銀製品のお店のように見えますが

10数年前の私の記憶では・・・ジェラートのお店に替わっていました。

お店の右側の低い塀に腰掛けて初めてフィレンツェで食べたジェラートの思い出です。

20歳になる8月 とても暑い夏でした。

フィレンツェの街はお店が入れ替わっても建物や道は変わらないまま。

でも確実にわたしの二十歳の思い出のフィレンツェとは変化があるはずです。

そしてわたしもこの思い出の当時から過した歳月のあいだに

数多くの経験と出会い 失敗や成功を繰り返してきたわけですが・・・

良いこと悪いこと それら全てが今のわたしを形成しているのだ!と

今更ながら感じることが多くなってきたこのごろです。

10年後の自分のためにも 今を大切に生きなくては。

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2009年の夏はそろそろ終わりですね。

わたしの宝箱 8月29日

 

どうやらわたしにはコレクション癖があるようです。

タッセルもアンティークのカード同様に集めるとも無く集まりました。

タッセルは房飾りのことですが クラシカルで色も美しいタッセルは

眺めているだけでうっとりしてきます。

シルクやコットン ウールの素材と様々です。

たいせつに箱にしまっておいて たまにこっそりと覗き込んで

ひとり喜んでいるのです。

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タッセルを手作りする本も出ているようですので

いつか自分でも作ってみたいと思っています。

古典技法額縁の作り方 9 8月28日

 

前回に引き続き装飾方法のご紹介です。

額縁制作の手順をおおまかにお話していた時にご覧いただいていた

黒地に金のコーナーサンプルに使っていた方法で

呼び名は色々ですが私は「石膏盛上げ装飾」と呼んでいます。

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石膏を塗って表面を整えたら模様を転写します。

そして湯煎で温めた石膏液使って描きます。

濃度のある液体なので絵の具のように描くというより

細い筆で垂らし描きするような感じでしょうか。

石膏が乾くと凸模様になります。

あまり細かい模様は入れられませんが

ゆるやかな盛り上がりで表現する模様は暖かな雰囲気です。

わたしの得意とする装飾方法です。

初秋の実り その2 8月27日

 

昨日に続き信州の思い出です。

晴れた日の午前 りんご園へ散歩に出かけました。

まだ青い赤ちゃんりんごがついている頃かな・・・と思いきや

すでに赤く色づいた立派なりんごがたわわに実っています。

まるでヨーロッパに来たような風景が広がりました。

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青空を背景にりんごの赤も輝いています。

透明な日差しを受けてこれから赤がどんどん増すのでしょう。

おいしそうです。

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りんご園を後にして車で森の中をしばらく行くと

一軒のレストランに着きました。

「cafe du maroc」というモロッコ料理のお店です。

テラス席からは目の前に広がる畑と森を借景に

とても落ち着く空間があります。

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わたしは今どこにいるのか?遠い外国へ来ているような

わくわくした気分になれた信州2日目でした。

帰り際に見上げた空には やっぱりひとり夏を主張する雲。

真夏の雲を見られるのもあと少しですね。

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初秋の実り その1 8月26日

 

信州の千曲川と中山道がまじわる辺りへ出かけました。

わたしが20代の頃から変わらず励まし 見守り 

温かく迎えて下さる方達のお住まいがあります。

まるで夏休みに帰省した娘のように迎えてくださいました。

 

朝晩は20度を下回るような爽やかな信州はもう初秋です。

トンボが飛び回る空はとても高く澄んでいます。

見渡す限り一面の田んぼの稲達はすでに頭を垂れ始め

千曲川周辺の自然も穏やかな秋の様子に変わり始めています。

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ただ雲だけが「まだまだ夏だぞ!」と頑張っているようでした。

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古典技法額縁の作り方 番外「黒い輝き」 8月25日

 

ひさしぶりに金箔をふんだんに使った額縁を作りました。

見え巾(木枠の太さ)は3センチほどではありますが

全面に金箔を使うとかなり豪華な額縁になります。

下の写真は金箔を貼り終えたところ。

コットンでしっかり押さえて乾かしている最中です。

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まだ磨いていないので艶消しで輝きも白い光です。

そしてこの額縁をメノウ棒で磨くと・・・

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このように金本来の黄金色になります。

輝きは光を吸い込むような 黒味を帯びた色に変わります。

カメラを構える私の姿がボンヤリと映っております・・・。

この額縁はこうしていったん磨き上げた後に艶消しに仕上げる予定です。

 

ルネッサンス時代以降 華やかな額縁が作られていた頃に

こうした「磨いたままの金色」の額縁が作られていたのか

それとも当時から古色を出した額縁がつくられていたのか

以前から知りたいと思っていることです。

バロック時代の豪華絢爛な額縁はきっとこのような

黄金色の輝きで仕上げられていたのではないでしょうか。

蝋燭の明かりが灯る薄暗い貴族の館で ほのかな光を反射する額縁は

とても美しく幻想的に見えていたに違いありません。

移動彫刻師 8月24日

 

フィレンツェのサンタ・クローチェ広場で見かけた彫刻師です。

リヤカーのような移動できる台車に乗せています。

ルネッサンス時代の衣装をまとって 使う道具も昔風。

弓にキリを取り付けた穴あけの道具のようです。

きっと大理石彫刻工房の宣伝ですね。

彼はなにかを説明するでもなく もくもくと作業をしており

衣装の派手さと対照的な朴訥とした様子が

また職人らしいと言いますか・・・。

夏の観光客にとって面白い小さなショーでした。

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何も無い また 8月23日

 

写真を見ると 撮影したその時に感じた匂いや空気を思い出します。

イングランド北部の荒涼とした荒地は

夏でもひんやりとていました。

濡れた土と草の匂い 水の匂い 遠い山から来る風の匂い

空気が東京より濃い・・・というか 違う種類の空気のような記憶。

 

「嵐が丘」の主人公二人が向こうから歩いてくるような気がしました。

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pergamena 羊皮紙 その4 8月22日

 

8月3日に受講した羊皮紙制作体験実習で作った

羊皮紙ですが 端を切り落として紙やすりで磨き

なんとか「紙」に近くなったようです。

少々厚すぎる感もあり写真で見るとなんとなく

食べ物に見えなくも無い・・・といった様子ではありますが

はじめて作った記念品的羊皮紙として良しとしましょう。

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この羊皮紙には制作中から考えていた フラ・アンジェリコの

写本の一部である受胎告知の場面を模写しようと企んでいます。

この模写作業でも古典技法額縁制作に使われるのと同じ

石膏 箔下トノコ メノウ棒などが登場します。

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下町の風景 8月21日

 

水の都ヴェネチア・・・優雅で情緒溢れる街です。

観光で訪れた方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

街の中心はサン・マルコ広場周辺ですが

もっと東の方へ足を伸ばしてみたことがあります。

カフェの常連客のおじいさんや小ぢんまりした教会前広場で

駆け回る子供 その様子を見守るお母さんなど

観光客もおらず そこで生活している人々の息づかいが感じられる地区です。

こんなところまで観光客の私が入り込んでしまって

現地の方達の日常を邪魔してしまったかもしれません。

 

道を挟んで窓から窓へ洗濯物を干す風景は

イタリアの下町でよく見かける風景ですが

まるで運動会の万国旗のようにカラフルに大量の洗濯物が

(モノクロのフィルムしか持っておらず残念でした・・・)

はためく様子が可愛らしく とても平和な気分になりました。

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イメージを掴む 8月20日

 

目白駅からしばらく行くと住宅街の中に

昭和初期に建てられた洋館と森が現れます。

蝉の鳴き声と砂利を踏む自分の足音しか聞こえない場所です。

細川家のコレクションを展示した「永青文庫」へ行きました。

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今日は企画展を見学しましたが 洋館に興味がある私は

この建物に入ることが出来るのも楽しみの一つです。

白い漆喰の壁 緑のドア 冷たく光る床

廊下は窓も無く古い映画にでてくる病院のようにも見えます。

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階段の装飾も細かなところまで美しく作られています。

シンプルで控えめでありながらも存在感がある装飾には

私も学ぶところが沢山あります。

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廊下同様 白と緑の組み合わせに手すりの茶色が加わって・・・

しばらく立ち止まって見入りました。

新しい額縁のイメージの 始まりを掴めそうです。

 

 現在の企画展「白洲正子と細川護立」展は来月半ばまで。

 中国唐時代の焼物から江戸時代の能面 刀鍔など

 細川護立の驚くべきコレクション(知識にも財力にも・・・)の数々です。

 親子のように年齢の離れた二人ですが 共通の興味を通して

 師弟関係以上の友情も感じられます。

 こんな第一級の美術品を手に取りながら学ぶことが出来た正子

 「うらやましい!」のひとことです。

 30代の白洲正子が細川護立から中国古美術を学んだ様子が

 書簡や正子の短歌と共に観ることが出来ます。

 当時の白洲正子と同年代の現在の私ですが

 彼女の学ぶ姿勢と意欲にとても励まされました。

 永青文庫H.P : http://www.eiseibunko.com/

「天使 手を叩きて喜ぶ」の図 8月19日

 

我が家の夏の楽しみの一つ

月下美人が今年も咲きました。

ひとつの葉(茎?)からふたつも花が出てとても豪華で妖艶です。

うしろの天使も手をたたいて喜んでくれているように見えます。

この夜は部屋中が花の妖しい香りに包まれていました。

翌朝にはすっかりしぼんだ花の残骸がぶら下がっており

はかない姿とたった一晩にかけるその生命力を感じました。

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古典技法額縁の作り方 8 8月18日

 

古典技法額縁の装飾方法は数多くありますが

今日は線刻をご紹介します。

木地に石膏を塗って整えたあと 模様を転写します。

その線をニードルを使って線彫りする方法です。

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転写した下書きを頼りに線を入れますが 下書きは目安程度にして

曲線などは手の動きに任せるように滑らかに入れたほうが

美しい仕上がりになるようです。

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線刻の溝は1ミリもない深さではありますが

上に彩色しても線はきれいに現れます。

彫刻など凸形の装飾より控えめで繊細な表現です。

異次元の森へ 8月17日

 

真夏の暑い日に東京湾の無人島へ行きました。

猿島と呼ばれる島で 横須賀から船がでています。

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「無人島」どころか海水浴客で溢れていましたが

島中央の森は鬱蒼と茂り 戦前の軍要塞跡もある

不思議な島でした。

かなり深く掘り下げた道で森のトンネルを抜けていくと

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不気味なトンネルが続きます。

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周りは宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」のようです。

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浜辺の乾いた空気と日差しがうそのように

森に囲まれた場所は湿度を帯びたひんやりとした濃い空気です。

心がすこしだけざわつくような奇妙な感覚のなか更に進むと

とつぜん視界が開け また真っ青な海と空が広がりました。

先ほどまでの森とトンネルがまるで別世界のようで

冒険をしたような異次元に行って帰ったような感覚はしばらく続きました。

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KANESEIの額縁をご覧いただけます 8月16日

 

以前「ラデュレが好き」というトピックスでもお話したように

その近くまで行ったら寄らずには帰れない!という場所がありますが

成城学園前にあるアンティークショップ「attic」も

確実にその場所のひとつです。

http://www.attic-antiques.net/

食器や照明器具 アクセサリーや小さな家具などが

とても大切そうに美しくディスプレーされている様子は

いつ伺っても心がふんわり温かくなります。

そのatticさんにKANESEIの額縁も仲間入りさせて頂くことになりました。

今回はポストカードのサイズのちいさな額縁2種。

こちらはアンティークのお店ですので額縁も勿論アンティーク仕上げです。

シルバーのものとベージュのもの シンプルなデザインにしました。

シルバーは「works」ページ内「classical」の2番目「frido」です。

アンティークのグリーティングカードを飾るために・・・と作りましたが

もちろんハガキサイズのお写真をいれていただくこともできますし

そのほか古い布やレースのハギレ 鏡を入れたりとお楽しみいただけます。

お近くにお越しの際はどうぞぜひ「attic」へお立ち寄り下さい。

KANESEIの額縁もお店の片隅でお待ち申し上げております。

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古典技法額縁の作り方 7 8月15日

 

さて 装飾と彩色もおわったら仕上げです。

今日はアンティーク仕上げにする方法をご紹介します。

KANESEIのアンティーク仕上げ方法(「古色出し」とも言われています)は

フィレンツェでの額縁修行時代に師匠マッシモ氏から

教えていただいた方法と材料をベースにしています。

日本では手に入らない材料もありますが代用品を探しました。

古色出しの方法はそれこそ工房それぞれ違うはずです。

”十人十色”ならぬ”10工房10色”ですので参考程度にお考え下さい。

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まず角や凸部分を木槌などでたたいて傷をつけます。

特に角は強くたたくのではなく小さく何度もたたくと良い「味」が出ます。

石膏が欠けて木地が見えてもそれもまた「味」になります。

スチールタワシで擦って金箔下地のトノコ色を出したり

ベースの彩色部分も下地に補色を塗った場合は同様に下地を出します。

その上に茶色のワックスを塗ります。

ワックスはカルナバワックスをベースに作りますがレシピは秘密・・・。

 

アンティーク仕上げの最終段階に「ほこり」をまぶします。

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もちろん本物の埃ではなく 粉を調合して作った「偽ほこり」です。

上の写真はその「偽ほこり」をまぶした状態です。

ワックスが完全に乾く直前にこの「ほこり」をまぶして磨きこむと

装飾の凹部分に密着して いかにも”ちょっと汚れた古い雰囲気”に。

その他カッターなどの刃で亀裂を作ったり 細いドリルで虫食い穴を作ったり

それぞれのお好みで加工します。

できたてで初々しい額縁もあっという間にお婆さん(?)に変身です。

磨いたばかりの金は生々しくて光沢が強すぎる場合がありますが

アンティーク風加工をすることで落ち着きと調和が出るようです。

 

裏の処理をしてガラスや裏板の準備 金具の取り付けが済めば完成です。

順番待ちの娘たち 8月14日

 

ご注文いただいた額縁を作ったときの端材などで

あても無くちいさな額縁をいくつか作っています。

余った石膏も小箱やツマミに塗って乾かしてあります。

途中まで手を加えて 今はお休み中の額縁も。

これらの「ちいさな娘たち」が完成するのは何時になるのか・・・

色やデザインがひらめく(大げさですが)まで

気長に順番をまってもらいましょう。

ウィンドウで見た服の色の組み合わせや雑誌のグラビア 

展覧会で観た古い額縁の雰囲気などから

ある日突然に作りたい額縁のデザインやイメージが浮かびます。

そして試作と言いましょうか 掴んだイメージを具体化します。

そんな時にこれら順番待ちの娘が活躍してくれるのです。

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エル・グレコの空 8月13日

 

空の青と雲の白の対比 差し込む光

スペインの画家 エル・グレコの絵の背景にあるような

ドラマティックな空でした。

光の射す方角から なにか物語りが始まりそうな雰囲気です。

神様の手が見えたり・・・?

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古典技法額縁の作り方 6 8月12日

 

部分的に箔で装飾し磨き終えたらベース部分に色を塗りましょう。

今回は黒にすることになりました。

下地がボローニャ石膏の場合はグァッシュかアクリル絵の具を使います。

もちろんこれはKANESEIの場合であって

他の工房の方達にしてみれば「アクリル絵の具は使わない!」

と思われる方も多いかもしれませんが・・・乾くと耐水性になるアクリルは

なかなか便利な色材でもあります。

まずはこまかな装飾部分を細い筆で埋めてから広い面を塗りました。

今回は石膏地に直接黒のアクリルを使いましたが

黒を塗る前にまず補色の赤を塗ってから黒を塗ると

色が深みをおびてより重厚で品のある仕上がりになります。

アンティーク仕上げにする場合も磨り出しで下の補色が見えて

趣のある額縁になります。

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街角で 8月11日

 

今日8月11日の朝に大きな地震で目が覚めました。

静岡はじめ地震のあった地域の皆さん ご無事でしょうか。

台風も近づいていますしどうぞお気をつけ下さい。 

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以前 旅の街角で額縁店をみかけました。

お昼休みの時間だったらしくガラス戸は閉まっており

外から暗いウィンドウを覗き込みました。

ちいさな額縁が壁一杯に展示されています。

店主お好みの形なのでしょう 8角形の額縁が沢山。

金の渋い仕上げも素敵です。

私もこの8角形額縁を近々作ってみたいと思っています。

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pergamena 羊皮紙 その3 8月10日

 

先日8月3日に受講した羊皮紙制作体験実習で作った羊皮紙です。

乾燥後に郵送していただきました。

ぷよぷよだった皮も乾燥して紙のようになっています。

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でもまだ皮は皮・・・といった印象ですね。

これから更に紙に近づけていきます。

今後の作業は自宅でひとり続けることになります。

木枠に張った金具の跡が残っていますが

この端は切り落として表面を削って整えて

ようやく絵を描いたり文字を書いたりできるようになるそうです。

さっそくこれらの作業を進めて写本の模写の

準備を始めたいと思っています。

今後もこの羊皮紙についての作業はこちらでご報告します。

16世紀のトリノで 8月09日

 

この額縁はもう何年も前に作ったものですが改めて・・・。

16世紀のイタリア北部の街トリノで作られた額縁を模刻しました。

以前このdiarioでご覧に入れた本「la cornice italiana」に掲載されており

いつか実物を見てみたいと思っている憧れの額縁の一つです。

本に掲載されている写真で見ると 金箔の色はもっと深みを増していますし

汚れや虫食い 四隅の接合部分にひび割れがあったりと

500年近くの時間を過ごしてきた風格を感じられます。

私もこの額縁を作る際にアンティークな雰囲気を出そうと工夫をしたのですが

本当の経年による厚みを新しい額縁に加えるのは難しいことです。

私が作ったこの額縁が500年後に存在するかはわかりませんが

できることなら どんな変化を遂げたか見てみたい!と思っています。

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* 本日「works」内 「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

夏の日に 8月08日

 

久しぶりの真夏日になった日 上野を散策しました。

まずは韻松亭で腹ごしらえを。古くからある料亭ですが

ランチは女性向に沢山の品数を少しずついただけます。

個室に腰を落ち着けて 美味しいお食事と楽しいお喋りに時間を忘れますが 

ぼちぼち散策に出かけましょうか…。

 

動物園横にある遊園地はあまりの暑さで人もまばらです。

幼い日に祖母に連れられて来た思い出が蘇ります。

遊具は入れ変わっていても雰囲気は当時と変わりません。

どこか昭和を思い出させる懐かしい感じ・・・。

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そして国際子ども図書館へ。

明治期のネオ・ルネッサンス建築で

洋館の美しさを堪能できます。

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お天気もよく窓からの風景も楽しめました。

森の中に同じく明治期の名建築である

表慶館の青銅色のドームが見えます。

明治時代の人達もこの風景を見ていたのでしょうか。

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図書館の中庭にはオープンテラスのカフェテリアもありました。

美術館めぐりで疲れたときなどの穴場かもしれません。

秋口にまたゆっくり訪れたいと思います。

pergamena 羊皮紙 その2 8月07日

 

先日8月3日の羊皮紙製作体験実習で八木先生の

羊皮紙コレクションをたくさん見せていただくことが出来ました。

ヨーロッパの物だけでなくエチオピアの物まで。

下の写真はヘブライ語で書かれた巻物で3mあります。

机いっぱいに広げられた羊皮紙は迫力がありました。

やはりその手書き文字の密度と羊皮紙の持つ強さでしょうか。

1850年頃の物で旧約聖書の民数記全文だそうです。

丁寧に書かれた文字のインクはほんの少し盛り上がっています。

気が遠くなるような作業です。

アルファベットともギリシャ文字とも違う不思議な文字。

ユダヤ教の敬虔な信者が窓辺で長い時間をかけて

こつこつと写して行った様子を想像しました。

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*pergamena・・・(伊)羊皮紙

マッシモ氏の笑顔 8月06日

 

フィレンツェの師匠 マッシモ氏の作った鏡入り額縁です。

留学最後の年の夏に母が遊びに来て注文したものです。

工房の夏休みまであと1週間という時で製作時間があまり無く

この小さな額縁を大急ぎで作ってもらいました。

小さいけれど縁の形は可愛らしく 鼈甲模様も手描きです。

もちろんアンティーク仕上げになっています。

鏡も古いものの破片を使ってあるのでクモリや錆が見えます。

この額縁を見るたびにマッシモ氏の控えめで穏やかな笑顔を思い出します。

額縁も作った職人の人柄が出るのでしょうか。

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西洋職人づくし 8月05日

 

骨董市同様に行かずにいられない古書市で見つけた一冊です。

「西洋職人づくし」の復刻版です。

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木版画による職人の様子の横に詩が添えられています。

教皇から始まり最後はがらくた売り。

その中に羊皮紙職人の姿もあります。

柔らかく水分を含んだ皮を木枠に張って

円形のナイフで表面を削っている場面でしょうか。

先日の羊皮紙製作実習を思い出します。

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「羊や山羊の皮を買いこんで

石灰の液につけて、かわかし

台にのせて毛をはぎとり

なめし、のばして、みごとな

羊皮紙をつくるが、わしのしごと

いろいろしごとは苦労は多い

けものの目や爪から膠もつくる

これはいつでも売って進ぜる」

額縁作りにも欠かせない膠は羊皮紙職人によって

作られていたとは知りませんでした。

他にも沢山の職業の様子が載っていますが

その中で気になるのが「大食い」です。

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「大ぐらいと呼ばれるわしは

この教区のだれもが知っている

お金持ちさまがたがわしを

食卓に呼んでうまい肉や魚やら出すなら

わしはなんでもして進ぜる

ブドウ酒も大すきじゃ

この太鼓腹が底なく沼のように

ガップガップといただくわい」

食客のような人達のことでしょうか。職業?職人?

不思議です。

 

それなのに「額縁職人」の姿はありません・・・。がっかり。

静かな別世界 8月04日

 

フィレンツェは街全体が世界遺産に登録されているとおり

街並みは美しく 古い建物も大切にされています。

私が住んでいた家から修復学校への通学路は

フィレンツェの名所旧跡のダイジェスト版ツアーのようなものでした。

サンタ・クローチェ教会の横を通りバルジェッロの角を抜ける日もあれば

シニョリア広場を通ってポンテ・ヴェッキオを渡る日も…といった具合です。

フィレンツェの象徴であるドゥオーモを目にしない日はありませんでした。

いま改めて 贅沢な時間を過ごせたことを感謝しています。

そんな毎日の生活の中で一番身近だったのはサンタ・クローチェ教会です。

イタリアの教会はどこもそうですが 外の明るい日差しに比べて

内部は驚くほど空気が違います。

薄暗くひんやりとしています。

別世界のような静かな空間に座っていると

外国生活で疲れた心も徐々に落ち着いてきたのでした。

教会前の広場では友人達と座り込んで何時間もお喋りをした

フィレンツェの中でも私にとってとても思い出深い場所です。

下の写真は夜にライトアップされたサンタクローチェ教会。

暗闇に堂々と建つ白い大理石のファサードが美しく見られる時間です。

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pergamena 羊皮紙 その1 8月03日

 

日曜日の午後 羊皮紙製作実習を受講しました。

講師は横浜在住の翻訳家 八木健治先生です。

羊皮紙のことはご存知だと思いますが・・・

動物の皮(ヒツジ ヤギ 子牛など)を薄くして紙状にした物です。

今回の講座では下処理をしたヒツジの皮を木枠に張り

削ったり油抜き処理を施したりという最後の工程を体験させて頂きました。

 

配られたヒツジの皮は水分を含ませてあり

柔らかいゴムシートのような状態。臭いもありません。

フライパンでこんがり焼いたらビールのおつまみになりそうです。

これにヒモを取りつけて・・・

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均等なテンションで木枠に張ります。

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この後は専用のナイフで表面を削りつつ油分を取り除き

さらに軽石で研ぐ作業が続きました。

徐々に薄くなり「羊皮紙」に近づいていきます。

完成した羊皮紙にはフラ・アンジェリコの

写本の模写をしようかしら・・・と構想しつつの作業です。

今日の作業で張った皮は乾燥後に届けてくださるそうなので

来週の到着を心待ちにしているところです。

八木先生のH.P 『羊皮紙工房』

http://www.youhishi.com/index.html

*pergamena ・・・ (伊)羊皮紙

はるばると 8月02日

 

遠い異国バングラデシュからはるばる紅茶がやってきました。

紅茶の名産地 インドのお隣の国バングラデシュなので

きっと紅茶も美味しいお国に違いないはず。

パッケージの文字は読めませんが・・・

赤と黄色のパッケージ 渦巻く紅茶の写真が

異国情緒ただよう一品です。

豊かな香りと濃厚な(?)味でミルクティーに良さそうです。

朝の目覚めの一杯としていただきましょう。

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サンプル 8月01日

 

KANESEIではご注文やお客様のご希望によって

サンプルを作って事前にご覧いただく場合もあります。

サンプルを製作するためにお時間をいただくことになりますが

デザイン画と併せてコーナーサンプルなどでご確認いただくのも

安心かつ確実な方法です。

サンプルをご自宅にお持ち帰りになって(郵送もいたします)

実際に飾る場所の壁やインテリアとの色のバランスをみたり

ご家族やお友達と一緒にご相談なさるのも良いのではないでしょうか。

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