diario
古典技法額縁の作り方 3 7月17日
今日は箔を貼る準備作業をご紹介します。
前回 木地に塗り終わって乾かしたボローニャ石膏を
紙やすり等で磨いて形を整えた次の工程です。
今回ご紹介するのは「水押し」という方法で箔を貼る作業の準備です。
下の写真の枠は装飾部分と内側の細い枠部分(茶色の部分)に
「箔下トノコ」または「ボーロ」「アシェット」などと呼ばれる下地材を塗ってあります。
黄色いラベルの物がシャルボネ社製の箔下トノコです。
アルミニウムを多く含む粘土状の天然土が主成分。
これをニカワで溶いて箔を貼る部分に塗っておきます。
赤 黒 黄の3色が一般的でこれらを混ぜて使うこともあります。
今回は赤と黒を半量づつ混ぜて茶色にしました。
この箔下トノコの色は金箔や銀箔の仕上がり色に微妙ながらも影響します。
特に金箔は10.000分の1~2ミリという極薄の箔なので
金属とはいえ下地のトノコの色がかすかに透けるようです。
またアンティーク風仕上げで箔の表面を磨ってトノコを出す場合は
仕上がりの雰囲気にとても影響があります。
イタリアでは普通「金には赤トノコ 銀には黒トノコ」と言われますが
日本では金にも銀にも赤トノコが好まれるようです。
日本の額縁ユーザーの好みや おそらく今まで作られてきた額縁の
伝統なども相まっての結果だと思われますが 面白いです。
この箔下トノコを塗るのは水押し作業の
前日に済ませるのがベストだと思います。
トノコを塗ってから日にちが経ちすぎるとどうも上手く仕上がりません。
せめて1週間以内には次ぎの水押し箔貼り作業をしたいものです。