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額縁の本 漆山俊次著「額縁の世界」 7月12日

 

今日ご紹介する本は大地堂という老舗額縁店の店主の

漆山俊次氏の著書「額縁の世界」です。

この本のことは色々な場面で素晴らしい内容を見聞きしつつも

実物の本とはなかなか出合うことが出来ませんでした。

一度欲しいと思うともう「どうしても欲しい!」という気持ちになり

探し始めて半年後くらいでしょうか

ネットの古本店で見つけたときは飛びつきました。

以来わたしの本棚の特等席に納まっています。

 

以前ご紹介したクラウス・グリム著「額縁の歴史」同様に

写真を豊富に入れつつ額縁の歴史や製造過程

近現代の額縁の傾向と問題点など大変丁寧に書かれています。

製造過程ではヨーロッパでの方法を説明すると同時に

日本での工程との比較もされており具体的です。

特に明治から昭和にかけての巨匠達の作品とともに

その額縁の写真を見ることが出来ることもポイントです。

また著者と関係が深かった日本人の作家達の好みや

ヨーロッパでの見聞などは読み物としても楽しめます。

出版されてから30年以上経つ本ですがまだまだ現役で

著者の考えなどはっとさせられる内容もあります。

国内の額縁制作の歴史についての本では

この本がまず一番に上げられるのではないでしょうか。 

データ : 「額縁の世界」

      著者 漆山俊次

      株式会社 講談社

      昭和50年9月23日 第1刷 発行

urusiyama