diario
古典技法額縁の作り方 2 7月09日
前回の木材に続いて今回は次の工程である
ボローニャ石膏を塗る作業をお話します。
石膏と言えば水を足すと反応して硬化する焼石膏が一般的ですが
古典技法で使うボローニャ石膏は二水石膏または非晶質石膏といい
すでに水と反応して硬化した石膏を砕いて粉にした状態の物です。
つまり水を加えても硬化反応しません。
このボローニャ石膏を固めるためにはニカワ液を加えます。
古典技法に用いるニカワはウサギニカワです。
日本では鹿ニカワをよく見ますがヨーロッパでは兎ニカワ。
話し始めるときりなく続く…のですが
今回はニカワの詳しいことは省略します。
細かい粒状の兎ニカワを1に水を10加えて一晩ふやかしておきます。
これを翌日湯煎で溶かしボローニャ石膏を加え石膏液を作ります。
木地に下塗りとして一層ニカワを塗り乾かした後に
温かい石膏液を筆やハケで手早く額縁木地に塗ります。
おおよそ4~6回程度塗り重ねて更に翌日まで乾かします。
気泡が入ったりムラになったりと慣れるまで少々難しい作業ですが
この石膏塗りが完成度を左右すると言っても過言ではありません。
下の写真はイタリアでの私の師匠 マッシモ氏です。
サンプル用の木片にボローニャ石膏を塗っています。
タバコ片手なのはご愛嬌…